Health2.0の次は?

先週、サンフランシスコで開催されたHealth2.0コンファレンスに関するエントリやニュースが上がり始めている。ざっと目を通している最中だが、このムーブメントが昨年より確実にスケールアップしていることが感じられる。ウェルネス2.0、医療ゲーム、遺伝子解析など、今年のコンファレンスではHealth2.0が新たな市場を加え、拡張している様子が報告されている。そして早くも来年ボストンで、春季コンファレンスが開かれることが発表された。

一方、最近、海外のブログを見ているとWeb3.0という言葉に出くわす機会が多くなってきた。今日など、”Web 2.0 Is Dead and Web 3.0 Is Five Years Away”というキャプションに目がとまった。思えば、Web2.0という言葉が広く社会に知れ渡ったのは2005年ごろ。それからすでに三年経過している。そろそろ「次」のことが気になる時期に来ているのかもしれない。だが、ヘルスケアの分野ではまだやっと「2.0」が起動して一年である。「一周遅れのランナー」みたいなイメージがHealth2.0にないとは言えない。Health2.0のみならずおよそ情報技術全般が、一般的にヘルスケアの分野では他の産業界よりも遅れて伝播すると言えそうだ。

いつか、Health3.0という言葉が使われるようになるのかもしれないが、まだ2.0は端緒についたばかりであり、そんなに慌てる必要もない。日本では、その2.0さえもまだ姿が見えないという状況があるのだ。とはいえ徐々にではあるが、日本でもヘルスケア分野の新しいサービスが立ち上がってきている。今後が楽しみだ。TOBYOを含めこれら新しいサービスが、今まで沈滞をきわめていた日本のWebヘルスケア市場を活性化する起爆剤になればと思う。

だが結局はユーザーが使って役に立つかどうか、である。直感的に「これは便利だ」と受容されるかどうかだ。それを実際の機能にどう切り出すか。これをめぐって創造的に知恵を競うことになる。「次」を考えるのは、まだ早すぎる。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>