TOBYOの闘病記1万件検索機能の準備を進めながら、一昨日触れたエスター・ダイソンの言葉に触発されつつ、「Health2.0とは?」ということを考えている。今朝も、ふと目覚めてみると、その問いが天井から舞い降りてきた。昼食後、快晴の新宿御苑遊歩道を散歩している時に、抜けるような青空から秋の陽とともにその問いは降ってくる。 続きを読む
カテゴリーアーカイブ: Health2.0
エスター・ダイソンとHealth2.0
先日、OrganizedWisdomのCEOユニティ・ストークスがエスター・ダイソンにインタビューしているエントリがOrganizedWisdomBlogにポストされたが、これは興味深いものであった。言うまでもなくエスター・ダイソンは米国IT業界きってのビジョナリーであるが、Health2.0ムーブメントとの関係も深く、昨年のHealth2.0コンファレンスでは掉尾を飾る講演をしている。のみならず、PatientsLikeMe、23andMe、Medstory、そして最近ではOrganizedWisdomにも出資し各社の経営ボードメンバーとなっている。 続きを読む
Health2.0企業の基本条件: 啓蒙から参加へ
米国のHealth2.0論争はまだ続いているが、では結局のところ、Health2.0企業が成功する条件とは何なのだろうか。改めてこんな風に問題を立ててみると、今やその結論はきわめてシンプルな形で提示できるような気がする。このブログも、この問いに答えを見つけるために延々と書いてきたわけだが、ああだこうだと書き散らかしているうちに、いつの間にか問題は収斂してきている。 続きを読む
「リアルの補完物」からの飛翔
RevolutionHealthの失敗に端を発し、先週から米国ブロゴスフィアで始まった「Health2.0論争」だが、収拾するどころか一層燃え広がる気配である。論点は徐々にHealth2.0のビジネスモデル問題へと移動しつつあるようにも見えるが、これはいくら議論しても仕方ないかもしれない。とにかく誰が見ても納得できる成功事例が出現するまでは、どんな仮説でも主張できるからである。アイデアを持っている人間は、議論のためにそのアイデアを検証するよりは、現実にそいつを実行すべきだろう。 続きを読む
歴史は二度繰り返すのか?
先月も取り上げたが、この間ナンバーワン医療ポータルをめざしてきたRevolutionHealth社の失敗がますます明白になってきている。同社CEOスティーブ・ケース氏はどうやら本気で企業売却に乗り出しているようで、すでに従業員の大規模なレイオフが始っている。しかし、昨年春にサイトオープンして以来、わずか1年半のことであり、その「あまりにも短すぎる挑戦」をめぐって議論が起きている。
まず、ドットコムバブル時代のDrkoop社など「先例」との類似を指摘する声も多いが、やはり「打倒WebMD」をあまりにも急ぎすぎ、無理な企業買収の頻発などが結果的に足を引っ張ったとの見方が一般的であるようだ。スティーブ・ケース氏にはそれなりの目算もあったのだろうが、それにしても10年かけて首位医療ポータルの座を築いてきたWebMDに対し、ゼロから短期勝負で簡単に抜き去ることができるという考え方自体が、あまりにも医療情報サービスというものをなめすぎていたのではなかったか。 続きを読む