Health2.0マーケティングへの接続がベンチャー企業ビジネスモデルに不可欠

11月6日、ニューヨークの医療&製薬市場マーケティング調査会社であるマンハッタンリサーチ社は、調査レポート”Cybercitizen Health v8.0″を発表し、2002年以来米国におけるHealth2.0ユーザーは倍増し、現在6000万人に達していると報告している。このHealth2.0ユーザーだが、マンハッタンリサーチ社では以下のような消費者のことを指している。

・過去12カ月間に以下の行動のうち少なくとも一つを実行した者

  • 医療関連のブログや掲示板を読む。医療関連チャットルームに参加する。
  • 医療関連ブログを書く、コメントを付ける
  • 医療関連フォーラムにトピックを付ける
  • 医療関連ウェブページ、ビデオ、音声コンテンツを制作する
  • オンライン患者支援団体の掲示板、チャットルーム、ブログを利用する

続きを読む

Health2.0ケーススタディ


Add Health 2.0: The Business Case for Health to your page

去る10月22-23日、サンフランシスコで開催された第二回目のHealth2.0コンファレンス。その中で、Health2.0ムーブメントの中心的ビジョナリーであるScott Shreeve氏がモデレータを務めたセッション”The Business Case for Health2.0″のプレゼンスライドが公開された。

出席者は、ファイザー社のワールドワイドイノベーション担当VPであるVita Cassese氏、NBCデジタルヘルス部長のMitzi Reaugh氏、Safewayのヘルスリエンジニアリング担当VPのKen Schactmut氏、カイザー社のオンラインサービス担当VPのAnna-Lisa Silvestre氏。
続きを読む

患者コミュニティと治験コミュニティを繋ぐマーケットプレース: PrivateAccess

privateaccess

かつて医療情報と言えば、すぐに「プライバシー&セキュリティ」というクリシェ(決まり文句)を芸もなく繰り返す時代があった。人々がいた。あるいは「質の高い医療情報」などと、スコラ論議みたいな呪文を唱える輩もいた。もちろんプライバシーもセキュリティも大切だが、もしもこれらを過剰に重視するあまり情報が動かなくなってしまえば、かえって適切な医療を受けられなくなることになるだろう。円滑にフローし簡単にアクセスできなければ、どのような医療情報もその価値を発揮することはない。 続きを読む

リニューアルオープンしたOnlife

onlife

昨日「参加型医療の時代」というエントリをポストしたが、奇しくも同じ日に「ユーザ参加型プロジェクト」を標榜するサイト「オンライフ」がリニューアルオープンした。「みんなでつくる闘病支援サイト」とあるが、これだけではわかりにくい。要するに病名ごとにコミュニティをつくり、そのメンバーがウェブ上の闘病情報を共同して整理共有していくためのプラットフォームであるようだ。

春先にオープンした時にはTOBYOのフォロワーみたいに見えたが、その後かなりの変更を加え再登場した。「病名ごとのコミュニティ」と言うと患者SNSを想起するが、このオンライフは患者SNSとも言いにくい。患者SNSなら会員メンバーが日記を書くなどUGCが内部に蓄積されるのだが、オンライフはメールやショートメッセージ以外、UGCを内部で積極的には作らないようだ。このあたり、日本ではまだ本格的な患者コミュニティが登場していないので、できれば挑戦してもらいたかった。 続きを読む

参加型医療の時代

今日、TOBYOの収録闘病サイト数が1万件に達した。春先にこのブログで「ネット上にどのくらいの数、闘病サイトが存在するかは不明だが、1万件くらい収集すれば、およその見通しはつくのではないか」などと言ったこともある。実際に1万件にたどり着いてみて「およその見通し」がついたかと言えば必ずしもそうではないが、どんどん新規サイトが生まれており、闘病ネットワーク圏がますます膨張していることだけは確認できた。

「ネット上に自分の闘病体験を公開し、他者と共有する」という文化が自然発生的に生まれ、次から次へと伝承され、知識と体験がリレーされているのを見ていると、医療界という専門領域の外周を取り巻くような形で、闘病者の知識集合と体験集合の領域(闘病ネットワーク圏)が分厚く形成されつつあることが実感される。今のところ、医療界と闘病ネットワーク圏が直接交わる気配はないが、いずれ両者はどこかで出会い、相互に学ぶようになるはずだ。そんな確信がある。 続きを読む