e-Patient Revolution


先月ポストしたエントリ「参加型医学(Participatory Medicine)」で、最近米国で脚光を浴びる機会が多い「参加型医学」と「e-Patient」のことを取り上げた。これまで日本でも「患者中心医療」などの言葉はあったが、はっきり言わせてもらうと単なるスローガンに終わっていたと思う。言葉だけで患者を持ち上げながら、実体はなんら変わるところのない従来医療。そんなトリックは患者からとっくに見破られていることを、医療者は早く気づいた方が良い。

ところで参加型医学ムーブメントを担ってきた「e-Patients.net」 が中心となって、今月26日-27日、フィラデルフィアで「e-Patient Connections 2009」 と題されたコンファレンスが開催される。そのPRビデオが公開されたのでご紹介したい。

「革命」という文言にはいささか食傷するが、今後、医療の参加者としての患者の役割は増えていくに違いない。たとえば、患者が自分の闘病体験をドキュメントにまとめ上げ、ネットで公開する利他的行為なども、その「参加」の一つの形態であるだろう。TOBYOプロジェクトはそのような「患者参加」をエンパワーすることをめざしている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

医療改革プレゼンテーション

このブログでも何度も使用しているプレゼンテーション・スライド共有サイト「SlideShare 」だが、このたび第三回「世界ベスト・プレゼンテーション・コンテスト」を開催した。世界130カ国から応募された3,750点の中から、グランプリに選ばれたのは「Healthcare Napkins All」という作品。これは米国医療改革をテーマとしたプレゼンテーションである。

ホワイトボードと紙ナプキンにサインペンで手書した図表を撮影するという、なんともシンプルでローテクな手法だが、無駄のない説得力あるプレゼンテーションに仕上がっている。この作者Dan Roam氏は「紙ナプキン・ライター」として有名であるらしく、「ナプキンの裏:図表による問題解決とアイデア売り込み」と題したベストセラー本まで出している。またMicrosoft、WalMart、米国上院議会等の指導者に、複雑な問題を「視覚思考」で解決する指南役をしているとのこと。 続きを読む

参加型医学(Participatory Medicine)

e-Patients

昨年あたりから「参加型医学」(Participatory Medicine)という言葉が散見されるようになったが、今年になって米国で参加型医学協会が設立され、来月10月21日からオンライン・ジャーナル「Journal of Participatory Medicine」が刊行される。これはオープンソースの「Open Journal Systems」で編集された電子ジャーナルで、「医学文化をもっと参加型のものに変える」ことをミッションとして、かなり学術的な観点から「患者の医療参加」を研究発表する場として機能するようだ。

この参加型医学協会の母体となったのは「e-Patients.net」 http://e-patients.net/ だが、この団体は以前からそのユニークな活動で知られており、最近はHealth2.0コミュニティとも連携しはじめている。そのせいか、「Journal of Participatory Medicine」のアドバイザリーボードにはアダム・ボスワース、エスター・ダイソン、デヴィッド・キッベなど、Health2.0コミュニティの主要メンバーが名を連ねている。

ところで「e-Patients.net」で以前公開された「e-Patients白書」では、次のような「患者駆動医療:七つの仮説」が掲げられている。これは「参加型医学」の基本原理ともいえるものだが、なかなかに興味深い。 続きを読む

新しいパブリックセクター

AtlanticR&B

先週から体調をこわしたこともあり、この「秋の連休」は全面的に休養しブログも休んだ。ひたすら自宅で音楽を聴いて過ごしたが、連日の仕事から離れ、ほど良い空白期間を得ることができた。まったく違う角度から再度自分の立ち位置を見つめることも、ときには必要だ。

連休を通して、もっぱら60年代AtlanticのStax/Volt系ソウルミュージックをアナログ音源で聞いたが、やはりこのあたりの音は古いMMカートリッジの方が良く鳴る。ロック、ソウル、ジャズなどのジャンルで、結局、一体何を聞いているのかと言えば、やはりドラムスの音を聞いているのだと最近思うことが多い。ドラムスの鳴り方が、これらの音楽を基本的に決定しているといってもよいだろう。そして、音を繊細に上品に聴かせる新しいカートリッジはドラムス再生には不向きであり、むしろ荒削りで大ざっぱな、古くて安物のカートリッジのほうが、より好ましいドラムスの音を再現してくれる。 続きを読む

ロックンロール医療改革!


オバマ政権の米国医療改革はかなり難航しているようだ。それに苛立つアマチュア中年ロックンローラーの「怒りのプロテストロック」がYouTubeに登場!。WHO発表の医療ランキングで、米国医療の世界37位という体たらくに怒りをぶつけている。

もう10数年くらい前になるだろうか、当方は、昨今の「おやじバンド」ブームを先取りするかのように中年ロックバンドを結成し、電通グループのバンドコンテストでグランプリを3回取ったが、こんなビデオを見ると燃えてくるぜ。ちなみにバンドの名前は「NASSO」(ナッソー)。さかさまに読めば、意味はわかるようになっている。また、バンドやりたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.