DFC(Direct From Consumer )開発進行中

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先週の「光の道」徹底討論を見て、日本の医療ウェブのことを考えさせられた。孫さん、佐々木さんのお二人とも、医療が日本のインターネットの次の大きなテーマだという点では一致していたが、医療ウェブの現状を考えてみるとそこには非常にお寒い現実がある。なぜこうなのか、と昨年あたりから考えてきたが、その原因はある意味ではっきりしているのではないかと思う。なぜ、日本ではPHRのような医療プラットフォームの発想が出てこないのか。なぜ、日本ではWebMDのようなシンボルポータルがないのか。なぜ、・・・・・なのか。挙げだすとキリがない。

これまでもこのブログではいくつか問題の在処を指摘してきたが、これからも日本の医療ウェブの抱える問題を提起していきたい。だが、私たちは評論家でも学者でもない。あくまでTOBYOプロジェクトという事業と実践を通じて、現実を変えて行くことにプライオリティを置いている。

まずDFC(Direct From Consumer)だが、仕様はほぼ決定し要素技術の検討に入っている。これはTOBYOプロジェクトの柱となる商品であるから、なるたけ早期に、できればここ3ヶ月くらいで完成してしまいたい。また商品の完成を待たずに、先行してクライアント獲得のための働きかけにも着手していきたい。当面、獲得すべき顧客としては、製薬企業、調査会社、研究機関その他を想定している。 続きを読む

TOBYOプロジェクト、DFC-Distillerの新展開

既にツイッターではお知らせしたが、来月中旬頃にTOBYOのトップページ・レイアウト変更を考えている。いささか窮屈になってきたのでワイド化に取り組むのだが、現状デザインのルック&フィールは変更しない。まだまだTOBYOはブランド浸透を図らなければならない段階にあり、視覚アイデンティティを継続してブランド・パーセプション構築に努めなければならない。

今回のワイド化によって告知、ウィジェット、広告など新しいコーナーを設置することになる。特に広告枠をはじめプロモーション・スペースが確保できるので、今後、さまざまなご要望にお応えできるだろう。各方面からどしどしリクエストを頂戴したい。

さて、TOBYOプロジェクトのB2B事業であるDFC-Distillerだが、ようやく徐々に仕様が固まってきている。今月中に仕様最終決定の上、来月から開発に入りたい。ブランド・ネーミング、ロゴ、マークなどシンボル系制作も開始するが、「distiller:ディスティラー」(蒸留器)というワードは何らかの形で使いたい。 続きを読む

医療事実の蒸留器としてのDFC

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DFC(Direct from Consumer)開発に取り組む過程で、TOBYOプロジェクトの役割というものをあらためて考え直す機会を持つことが出来たのは幸いだった。これまでプロジェクトミッションは「ネット上に存在するすべての闘病体験を可視化する」と定義してきたのだが、さらにもっと直截で具体的な表現を用いるとすれば「医療事実の蒸留器(distiller)」とでも呼べるかも知れない。

まずTOBYOは、ネット上に多数存在するスパムサイトや偽装サイトなどのノイズを除去し、自発的に公開された闘病記録を含むサイトだけを収集してきている。つまりGoogleやYahooのような汎用検索エンジンに比べると、よりクリーンな情報ソースだけを検索することが可能だ。これはバーティカル検索の強みである。

だが一口に「闘病体験を含むサイト」と言っても、闘病記録がほぼ100%を占めるようなサイトからわずか10%程度のサイトまで雑多なバリエーションがある。私たちが2万件を越えるサイトを見てわかったのは、むしろ闘病記録よりも日常雑記の方が全体として情報量は多いということだ。育児、教育、仕事、趣味、旅行、時事など、多彩な日常記録が公開されており、その中の一部分として闘病記録が収載されているのが普通である。 続きを読む

試行錯誤と前進

昨日今日と、ようやく春らしい日和になった。春風に誘われて、昼休みは久しぶりにお弁当を持って新宿御苑へ。芽吹きはじめた新緑を見ながら散策するのは楽しい。

ところで年初の寒い時期から、TOBYOプロジェクトはDFC(Direct to Consumer)の商品化に取り組んできた。二月末までに基本構想は出来上がったので、いくつか試行をやってみてフル稼働へ入るつもりだった。ところがその後、商品のあり方をめぐってかなり根本的な変更(コンテンツ→ツール)をめざすことになった。この過程で初期構想はかなり拡散してしまい、焦点が今ひとつ不明確になり、もう一度シンプルな全体像を取り戻すために、拡散した一連のアイデアの整理&収束を図る必要が出てきていることに気づいた。

そんなこんなで、ニーズ、技術、商品形態の三点から見直しを図っている。どうやらいつのまにかある種の過度のこだわりによって、ある時点から構想の全体像を見失ったような気がする。先週ミーティングでそのことに気づき、早速修正に着手している。いずれにせよ、来月から本格的な開発に着手する。できればなるたけ早く、夏頃からテスト運用を開始したい。 続きを読む

B2Bモデルへのチャレンジ

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昨日エントリで医療ウェブサービスをターゲットから考えてみた。やや悲観的な論調になってしまったのは、単に当方の痛風発作のせいと考えていただきたい。実のところ楽観も悲観もなく、ただ現実の諸相をできれば直視したいとの思いしかない。それに楽観とか悲観とか言ってみても、あるクリティカルポイントで画然と区分されているわけでもない。そこには楽観から悲観に至るある種の連続体があるだけである。

TOBYOがターゲット問題の困難からフリーハンドを持つと考えているのは、TOBYOがB2Cだけに依存する事業ではなくなっているからだ。TOBYOは闘病ユニバースの全ての闘病体験を可視化するプロジェクトであり、その意味では闘病ユニバースのインフラツールを目指している。だがそれと同時に、新たにDFCプロジェクトへと進み始めたTOBYOはB2Bの領域へと歩を踏み出そうとしている。 続きを読む