DFC開発メモ

 tool

もともとTOBYOプロジェクトはシンプルなサービスを目指してきたと思う。いや、最初から積極的に目指してきたというよりは、むしろ結果としてそうなったと言った方が正しいのだろう。そして、このシンプルさに今後もこだわりたいと考えている。特定分野にシンプルに特化し、シンプルな機能を実現するツールであり続けたいと考えている。

中途半端な拡張より、愚直なシンプルさの方が強いに決まっている。あれもこれもと戦線を拡張するたびに、要所の手当ては薄くなり、全体としての脆弱性は増すだろう。たとえばコンテンツだが、TOBYOプロジェクトはコンテンツを作らない。コンテンツはユーザーが自分の好きなところで作ればよい。

そのように考えてくると、現在着手しているDFC(Direct From Consumer)商品化もコンテンツを制作するのではなく、ユーザーにデータへのアクセスを提供するツールであるべきだ。つまりDFCはインターフェースとフィルタリングが肝であり、データの分析や解釈はユーザーに任せるべきなのだ。ここが重要だ。そして、やはりシンプルなツールに徹するべきだろう。 続きを読む

DFC進行状況

3月も今日で終わり、早いもので明日からもう4月。TOBYOプロジェクトはここ3ヶ月の間、DFC商品化のための検討とテスト制作、そして検索エンジン「TOBYO事典」新規クロールの二つに取り組んできている。TOBYO事典は来月4月半ば頃にバージョンアップできる予定で、現在1万4千サイト300万ページの検索対象をさらに増量し、闘病体験可視化領域を拡大する。このように検索エンジン側の可視化領域が拡大すれば、DFCでハンドリングする解析データも増え、一層精緻に医薬品等の消費者体験&評価を提供することが可能となる。

DFC(Direct From Consumer)商品化だが、これは医薬品、医療機器、医療機関などを消費者体験から分析する”Fact Finding Tool”を目指している。たとえばある医薬品について、それを実際に体験した消費者の声を公開された闘病ドキュメントから集め、その医薬品がどのように消費者から体験されたかを分析する素材を提供するものだ。まだ詳細を公開できる段階ではないが、このDFCは大きく二つのパートから成る。 続きを読む

二月の終わりの雑感

二月も今日で終わり、明日から三月。TOBYOプロジェクトはDFC商品化の取り組みを開始している。昨年末からTOBYO事業化フレームをまとめ上げてきたが、それも細部の具体化とテスト運用の段階に来た。

TOBYOプロジェクトのミッションは「ネット上のすべての闘病体験を可視化する」ことであるが、DFC商品化などはこのミッションをさらに次のフェーズに進化させることを要請しているのかもしれない。次のフェーズとはおそらく「可視化した闘病体験によって医療を可視化する」ということになるだろう。単に個人の体験を可視化するだけでなく、さらに医療の構成要素(医薬品、機器、治療法、医療機関等)を複数の体験によって可視化するようなイメージである。

その際、どうしても「闘病体験のデータ構造」の考察が重要になる。それについても先週、私たちはかなり前進することができた。いずれにせよ「闘病ユニバース」と私たちが呼んでいる知識と体験の集合体から、どのように役に立つデータをdistillするかが問題だ。 続きを読む

DFC商品化の方向性: DFCレポート、DFCライブラリー

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TOBYOプロジェクトは現在、DTC(Direct to Consumer)とDFC(Direct from Consumer)の二方向で商品化を進めているが、DFC先行で商品イメージを固めつつある。先日エントリでも少しふれたが、DFC商品概念を思いっきり単純化すれば以下のような式になる。

(データ) × (ソリューション) = (DFC商品)

つまり「データ」を一定とすると、「ソリューション」の深さと幅によってDFC商品はいくつかのバリエーションを持つ。当面はそれを二つに限定して整理しておきたい。

A. ジェネラル・ソリューション対応: DFCレポート→DFCライブラリーB. カスタム・ソリューション対応: 個別レポート

「A.ジェネラル・ソリューション対応」は医療関連業界の汎用的なデータニーズに対応するもので、医療関連領域の個々の「固有名詞(製品名)」に対し、対応する患者体験を集約していくことになる。たとえば医薬品をとってみると、個々の薬品名ひとつひとつについて、それらを実際に体験したユーザーの体験レポートを作成するようなイメージを描いている。当面は慢性疾患(高血圧、高脂血症、糖尿病)医薬品、抗がん剤、抗うつ剤等から100品目程度選び出し、それぞれ個別の患者体験レポート(DFCレポート)を作成していくことになるだろう。 続きを読む

DTC & DFC: 二つの潮流に基づくマネタイズイメージ

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先週ポストした「TOBYOのネクストステージ」では、闘病ユニバースに存在する闘病サイトの再可視化に触れたが、これはTOBYOが保有するデータを使いやすくするために、単に再編することをめざすものであり、「ネクストステージ」のための準備作業ということになる。では事業化を含めた本来の「ネクストステージ」はどうなるのか。基本的にそれは、闘病ユニバースと医療関連業界の間に、「DTC&DFC」の二つの潮流を創出することになると考えている。

この二つの太い潮流には、データ、アテンションそしてマネーが流れることになる。これまで闘病ユニバースと医療関連業界との間にはほとんど関連はなく、お互いが別個に独立して存在していたといえるだろう。TOBYOプロジェクトはこれら二つの間を架橋し、相互を還流する二つの潮流を創出したいと考えているのだ。 続きを読む