先週のエントリーで取り上げた「データのポータビリティ(携行性、可搬性)」問題だが、ちょうど先週、GoogleとFacebookがこれに取り組む団体「DataPortability.org Work Group.」に加盟し、さらに二三日前にはLinkedIn, SixApart, Flickr, Twitterなども続々加入を表明するなど、いささかあわただしくもにわかに問題は焦点化されつつある。 続きを読む
作成者アーカイブ: 三宅 啓
Health2.0注目の成長株:Xoova
Xoova(ズーヴァ)は機能を絞った非常にシンプルな診察アポイントメント・サービスであるが、ここのところめざましい成長を見せており、昨年7月にリローンチして毎月平均70%づつページビューを増加させてきている。
「最初にXoovaが、自分自身のHealth2.0カテゴリーというものを創造したんだ」とXoovaのCEOトミー・マグロインは言う。「ウェブは、医師より前の段階に存在する第一の医療情報源なのだ。だが医療は、まだオフラインでローカルに提供されている。今日のトップ・ウェブ医療サイトは百科事典のように情報満載であるが、必ずしも行動的ではない。Xoovaの目標は意志決定領域の一部を獲得することだ。消費者が症状などの情報検索から、地元の医療提供サービスを見つけることへ移るそのときに、消費者が目指して行くべきところはwww.xoova.comになるだろう」。 続きを読む
医療情報の生活者メディア選好度調査
米国フォレスターリサーチ社は、生活者が医療情報をどのメディアで入手するのを好んでいるかに関する調査結果を発表した。その結果は「ウェブサイト」(35%)が他メディアを引き離してダントツ一位で、以下「雑誌」(16%)、「新聞」(14%)、「テレビ」(10%)と続く。今日、生活者にとってウェブが最も主要な医療情報メディアになっていることが示されている。
雑誌・新聞など記録性のある印刷媒体はまだ健闘しているが、一方テレビの存在感は薄く、これは近年顕著になりつつある欧米生活者のテレビ離れも影響しているかも。ただし、これら雑誌・新聞・テレビを「トラディショナル・メディア」と括ると40%を占め、これはウェブをしのぐ。しかし、新聞の発行部数減に代表されるように、これらトラディショナル・メディアに共通する衰退トレンドは、やがてウェブが確実に主流メディアになることを示している。
調査実施機関:フォレスターリサーチ
調査実施期間:2007年7月-9月
対象サンプル数:7500人
自己防衛としての「医療情報のポータビリティ」
昨日エントリーで触れた英国保守党キャメロン党首のNHS批判は、今後の公的な医療情報システムのありかたに一石を投じるものである。たしかに英国のみならず、どこの国でも公的な情報システムは膨大な国家予算を投じて構築運用されるわりには、その利用頻度は少なく、巨大な浪費と損失に終わっているケースが多い。e-TAXや住基カードの例を出すまでもなく、とにかくこれまで「過去の成功事例」をまったく思い出せないほど「公的情報サービス」の信用は極端に低いのだ。 続きを読む