三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

医療ロボット

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先日当方ブログのエントリでも触れた「日本版PHR」報告書が、経産省サイトにアップされた。このページの「個人が健康情報を管理・活用する時代に向けて」がそれである。ご案内いただいた経産省の渡辺さんのメールには、「よろしければご一読いただき、またブログで酷評wいただければと存じます。」とあった。(笑) 続きを読む

Health2.0、次回コンファレンス決定

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今月3日、4日、サンディエゴで開催されたHealth2.0春季コンファレンスだが、早くも次の秋季コンファレンス開催が発表された。次回は10月21日から23日までの三日間、サンフランシスコで開催される。昨年の初回コンファレンスよりも規模はかなりスケールアップされるようだ。

テーマはまだはっきりしないが、次回は春のような絞り込みはせずに、「Web2.0テクノロジーと医療」というような一般的なものになるらしい。ムーブメントとしてのHealth2.0は、いまだ初期段階にあるとの認識が一般的だが、そろそろシンボル的な成功事例が出てきてほしいものである。たしかにSermoなどの成功事例は出てきてはいるのだが、どちらかと言えば小粒感は否めない。ただ、PHRではGoogle Health、Health Vault、DOSSIAと大物が出そろったので、これらに連動するようなサービスが登場すればおもしろい。 続きを読む

患者の集合体験を数値化するSNS

PatientLikeMe

二日前の日曜日(3月23日)、”New York Times Magazine”に掲載された”Practicing Patients“という記事が話題になっている。この記事で取り上げられているのは、ユニークな患者SNSとしてHealth2.0界でも異彩を放つ”PatientsLikeMe“である。このSNSが他の患者SNSと大きく異なっているのは、「データ指向のSNS」であるという点だ。普通の患者SNSはコミュニケーション機能を中心に、患者間の交流の場や精神的支援のようなサービスを用意しているのだが、実はこれに飽き足りないユーザーは多い。特に難病の患者の場合、治療や症状改善のための具体的な情報を探しており、単なる「交流」では満足できないケースがある。

“New York Times Magazine”誌の記事では、多発性硬化症の患者の例が紹介されているが、この患者も、これまで体験交流型の患者SNSにいくつか加入したものの継続できず、結局、具体的な患者体験データ共有をめざすPatientLikeMeに落ち着いたという。 続きを読む

「闘病ネットワーク圏」について

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昨日のエントリーで、闘病者によって自然発生的にウェブに作られてきた「闘病ネットワーク圏」という考え方を書いておいた。これは、当方がTOBYOというサービスを開発する際に、徐々に固まってきた考え方である。

この前、あるミュージシャンの悪性リンパ腫の闘病記ブログを見ていた時である。そのブログは音楽活動の話題をメインとして数年間続けられてきたものだが、途中から悪性リンパ腫の闘病関連情報がかなり大幅に増えてきている。その闘病関連の最初のエントリで、作者は「自分が悪性リンパ腫にかかっていることは、事務所をはじめ仕事関係者にはまだ何も知らせていないが、このブログでは細大漏らさず病気に関する情報を書きたい。なぜなら、自分が医師から告知を受けた時、ネットでたくさんの闘病記を読み参考になった。自分の闘病体験を記録することは、一種の社会的義務であると考えている。」と書き記していた。 続きを読む

「自律、分散、協調」と「闘病ネットワーク圏」

PublicSphere昨日、東京では桜が開花し、今日も朝から暖かい陽光がさんさんと輝いている。こんな日を事務所にこもって過ごすのはもったいない。今日は早々に仕事を終え、新宿御苑の桜を見に出た。花の咲き具合はこれからだが、春風に吹かれながら散策するのは気持ちがよい。

さて、TOBYOの収録闘病記件数が2,500を超えた。今日(3月23日)の時点で、収録件数一位は「乳がん」で338を数える。続いて「C型肝炎」、「リウマチ」、「クローン病」が100を超えているが、逆にまだ収録件数が10に満たないものも多い。「病名」から見ると、TOBYOに収録された病名数は250に達するが、まだ闘病記件数が「1」にとどまる病名が112もある。TOBYOに集まった闘病記群の現状は、まさに「乳がん」をヘッドにしたロングテールということになる。 続きを読む