三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

始まりの終わり

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今週、2月18日、TOBYOは公開一周年を迎える。スタート時点の収録闘病記2000件は、現在12700件を数え、最大規模の闘病情報サイトへとTOBYOは成長してきている。また、闘病記だけを検索対象とする初の特化型検索エンジン「TOBYO事典」もフル稼働を開始した。

TOBYOは、闘病者たちが創り上げてきた闘病ユニバース(闘病宇宙:闘病ネットワーク圏)に蓄積された「患者の叡智」を活用するためのインフラツールを目指している。TOBYOは、単独ではいかなる機能も果たすことはできない。先行して闘病ユニバースが存在していたことが決定的に重要なのだ。だから1周年にあたり、闘病ユニバースを創造したすべての闘病者に、TOBYOはあらためて敬意を表明しておきたい。 続きを読む

日本のHealth2.0:milog(つぶやき型ライフログSNS)


本日(2月13日)、twitterライクな「つぶやき型SNS」にライフログ(生活情報記録)機能を加えた「milog」(ミログ)が公開された。東京大学、東京工業大学の2人の学生が開発したこの「milog」には、医療サービスを提供する構想もあるようだ。

東京大学医科学研究所と共同研究で、医療系ウェブサービス開発、3月から臨床研究を実施。

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーション社会連携部門と連携し、禁煙外来、メタボリック外来を対象とした慢性疾患系外来患者の生活習慣改善プログラムの取り組みの継続率、成功率を検証する試みを、都内医療機関の協力のもと09年3月~5月に臨床研究実施、09年末に医療論文の研究発表を予定しております。(プレスリリースより)

実は当方は、以前からtwitterを利用した医療サービスに注目しており当ブログにエントリをポストしたこともあるが、現役の東大生で「milog」を開発した城口さんから、そのエントリをヒントに開発されたとのメールを頂戴した。本当であるなら、たいへんうれしいし、また非常に光栄である。 続きを読む

日本のHealth2.0:オンライフの進化

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昨日(2月12日)、「みんなの闘病サイト、オンライフ」バージョンアップ版が公開された。同社の津田社長ブログによれば

簡単に言うと、「疾患プロフィール」と「闘病日記」機能の追加により
「患者さん向けSNS」のようなサービスになったということです。

とのこと。「疾患プロフィール」とは闘病記作者プロフィールを「基本情報」、「自己紹介」、「関わりのある疾患」、「患者年表」、「投薬履歴」、「関心のあるキーワード」で整理できるページ。「闘病日記」機能とはその名のとおり闘病ブログを書く機能。これによって、疾患ごとの共用プラットフォームと個人プラットフォームの連携が強化され、サイト全体がすっきりと見通し良くなった。 続きを読む

闘病サイトのライフサイクル

TOBYOでは、引き続き闘病サイト情報を収集している。現在、約12,500件の闘病サイト情報を公開しているが、この中身を見ると、これらサイトは決して不動のものではなく、実は流動的である。闘病サイトは永遠不滅なものではない。闘病ネットワーク圏を観察していると、どんどん新しい闘病サイトが登場する一方、ひっそり閉鎖され消えていくものも多いことに気づく。

何もない空間(ネット上)に、突然、ポッと光が現われ、明滅を始め、やがて消えていく。

私が闘病サイトを観察しているうちに抱いたイメージはそのようなものである。かつて闘病ネットワーク圏のことを宇宙にたとえたことがあるが、それは闘病ネットワーク圏を構成する闘病サイト群が、全体としてまるで宇宙に散在する銀河、星雲、恒星のように見えたからだ。個々の闘病サイトは出現しては消滅している。これについては「宇宙=量子論的な真空」を想起する必要があるのかもしれない。 続きを読む

米国医師SNSの現状

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米国マンハッタンリサーチ社が医師と情報技術に関する調査レポートを発表したが、その中で医師SNSの現状に触れているのが注目される。

同レポートによれば「医師SNSに参加しているか興味を持つ」と答えた医師は60%であり、後の40%は「興味がない」としている。また、既に医師SNSに参加している医師プロフィールの傾向として、同レポートは次のように報告している。

  • プライマリケアの医師
  • 女性
  • PDAか携帯電話を所有
  • 診療中あるいは診療の合間にオンライン接続
  • 医師平均年齢よりもやや若い層

以上の中で、「女性」が医師SNSの中心メンバーであるとの結果に特に注目が集まっている。これは従来まったく知られていなかっただけに、その原因について、さまざまな仮説が出されているようだ。 続きを読む