三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

TOBYOのプロジェクトミッション

現在、TOBYOプロジェクトは検索エンジン「TOBYO事典」の改善に取り組んでいる。思えば昨年9月以来、この仕事を延々続けてきたわけだが、1月10日公開したものをさらにパワーアップすべく調整中である。あと少しでパワーアップ版を公開できるだろう。さて昨春から、TOBYOプロジェクトのミッションについてこのブログで様々に考察してきた。すでにお気づきのとおり、プロジェクトミッションは徐々に変わってきている。

その中でも一番大きな変化は、昨夏あたりに計画していた「量から質へ切り替えていく」との路線を変えたことだと思う。これは、闘病記を1万件集めた時点で実行するはずだったが、結局、さらに拡大させていくことの方を選択した。TOBYOが闘病ユニバースというオープンな巨大コミュニティを想定し、そのインフラツールを目指すとすれば、可視化の対象は1万件で終わらせるのではなく、むしろ闘病ユニバース全体でなければならない。そう考えたからだ。 続きを読む

ある違和感

3月9日の日経朝刊社説「レセプト完全電子化を後退させるな」に対し、賛否両論がネット上のあちこちに散見される。とりわけ「医師ブログ」などからは強い拒否反応が上がっているが、相変わらず匿名で、なぜ逆上までしなければならないか理解に苦しむ。むしろ日経社説は、医療IT化をめぐる常識的な見解を述べているに過ぎないと思える。

このブログでも、過去のいくつかのエントリでレセプトオンライン化など日本の医療IT化の遅滞ぶりを取り上げてきたが、実は米国などでもIT化は遅々として進んでおらず、内外を問わず、なぜこんなに医療者とITは相性が悪いのか。
かつて数年前、厚労省と経産省が共同主催するある公開シンポジウムが開かれた。そのシンポジウムのタイトルは、たしか「医療にITは必要か?」というものであった。とにかくこのタイトル自体に驚いてしまった。いざシンポジウムが始まってみると、その疑念はますます深まるばかりであった。出席パネリストは医師、学者を中心にIT企業、NPO、作家などであったが、なんとこれらの出席者を医療IT化に対する「賛成派」と「反対派」に分け、それぞれの言い分を展開させようというのだから、唖然とするほかなかった。 続きを読む

クラウドソーシングで医療改革

HealthReform

昨年12月、オバマ次期大統領(当時)の政権移行作業チームは、全米市民に米国医療制度改革について、それぞれの地域で「医療地域ディスカッション」を開催し討議に参加するよう呼びかけた。ホリデーシーズンにもかかわらず、この呼びかけに応え、9千人を上回る市民が「ディスカッション」に参加登録し、医療制度改革の討議という共通目的のもとに、家庭、事務所、コーヒーショップ、消防署、大学、地域センターなどに集まった。

全米各地のディスカッション風景

グループ討議のもようはそれぞれの会場ごとにグループレポートにまとめられ、また参加者にはアンケート調査が実施され、それらすべては大統領政権移行チームのウェブサイト「www.change.gov」に集約された。集まった医療改革討議グループレポートは3,276件、アンケート調査票は30,603票に達した。 続きを読む

Google Healthの付加サービス登場

epocrates

先週、情報共有サービスを発表したGoogle Healthだが、サードパーティが提供する付加サービスも登場してきた。

医師向け薬剤情報サービスのEpocratesだが、Google Healthユーザーがかかりつけ医師に、自分の医療情報を見る許可を与えるサービスを開始している。Epocratesを利用している医師の会員IDを教えてもらい、Google Healthユーザーが「かかりつけ医師」として登録する仕組みになっている。だが、これでは先週発表された情報共有サービスとダブりそうだが・・・・・。さてどうするのだろうか? 続きを読む

Google Healthの新機能

Ghealth

3月4日、GoogleはオフィシャルブログでGoogle Healthの新機能を発表した。今回追加された新機能は情報共有機能とグラフ機能である。

まず情報共有機能だが、Google Healthに蓄積されたユーザーの個人医療情報を家族、友人、医師などと共有することができる。これによってユーザーの病歴、薬歴やアレルギーの有無など個人医療情報が近しい人々と共有され、突発時に適切な救急医療を受けることができる。情報共有するためには、Google Healthにログインの上、「このプロフィールを共有する」ボタンをクリックして共有したい人のメールアドレスを入力する。すると招待メールが共有相手に送られ、相手はメールに記載されたリンクを利用してユーザーの個人医療情報を見ることができる。このリンクは記載メールからのみ利用でき、転送メールなどからは利用できない。また、ユーザーは自分の個人医療情報へのアクセス状況記録を確認することができ、いつでも共有を停止することもできる。 続きを読む