ハーベイ・ピッカーの死とHCAHPSの起動

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土曜日のNew York Times紙面に、ハーベイ・ピッカーの死が報じられていた。そして奇しくも同日の医療関係ブロゴスフィアでは、なんとCMSによるHCAHPSの本格的運用が伝えられたのだ。「ハーベイ・ピッカーの死と、HCAHPSの起動がほぼ同時期に起きるなんて・・・。これはなんという偶然なのだろうか」。ある懐かしさに似た感情を抑えられず、このような感懐にひと時ひたったのである。とは言え、日本ではハーベイ・ピッカーの名も、HCAHPSという米国の国家医療プロジェクトの存在も、ほとんど全く知られていないのが現実かもしれない。 続きを読む

患者体験を集める。米国ユタ州の”Health Story Bank”。

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米国ユタ州保健局が、州住民から患者体験情報を集める「ユタ・ヘルス・ストーリー・バンク・プロジェクト」を開始。”Share Your Stories with Us”をスローガンにウェブサイトを立ち上げた。

「ユタ・ヘルス・ストーリー・バンクは、他の人と自分の体験を共有したいと考えているユタ州民から、健康関連ストーリーを集めたコレクションである。われわれはこれらのストーリーを、今日の健康問題の明確化に役立てたいと望んでいる。あなたのストーリーを共有することによって、あなたはこれら問題の社会的認識を高め、他の人がより健康になるように働きかけることができる」。 続きを読む

医療ロボット

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先日当方ブログのエントリでも触れた「日本版PHR」報告書が、経産省サイトにアップされた。このページの「個人が健康情報を管理・活用する時代に向けて」がそれである。ご案内いただいた経産省の渡辺さんのメールには、「よろしければご一読いただき、またブログで酷評wいただければと存じます。」とあった。(笑) 続きを読む

Health2.0、次回コンファレンス決定

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今月3日、4日、サンディエゴで開催されたHealth2.0春季コンファレンスだが、早くも次の秋季コンファレンス開催が発表された。次回は10月21日から23日までの三日間、サンフランシスコで開催される。昨年の初回コンファレンスよりも規模はかなりスケールアップされるようだ。

テーマはまだはっきりしないが、次回は春のような絞り込みはせずに、「Web2.0テクノロジーと医療」というような一般的なものになるらしい。ムーブメントとしてのHealth2.0は、いまだ初期段階にあるとの認識が一般的だが、そろそろシンボル的な成功事例が出てきてほしいものである。たしかにSermoなどの成功事例は出てきてはいるのだが、どちらかと言えば小粒感は否めない。ただ、PHRではGoogle Health、Health Vault、DOSSIAと大物が出そろったので、これらに連動するようなサービスが登場すればおもしろい。 続きを読む

患者の集合体験を数値化するSNS

PatientLikeMe

二日前の日曜日(3月23日)、”New York Times Magazine”に掲載された”Practicing Patients“という記事が話題になっている。この記事で取り上げられているのは、ユニークな患者SNSとしてHealth2.0界でも異彩を放つ”PatientsLikeMe“である。このSNSが他の患者SNSと大きく異なっているのは、「データ指向のSNS」であるという点だ。普通の患者SNSはコミュニケーション機能を中心に、患者間の交流の場や精神的支援のようなサービスを用意しているのだが、実はこれに飽き足りないユーザーは多い。特に難病の患者の場合、治療や症状改善のための具体的な情報を探しており、単なる「交流」では満足できないケースがある。

“New York Times Magazine”誌の記事では、多発性硬化症の患者の例が紹介されているが、この患者も、これまで体験交流型の患者SNSにいくつか加入したものの継続できず、結局、具体的な患者体験データ共有をめざすPatientLikeMeに落ち着いたという。 続きを読む