集合知によって医療を患者参加型医療に変える

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TOBYOプロジェクトは、国内最大の闘病体験データベースに成長した。このように大量の闘病体験ドキュメントが可視化され利用可能になったのは、おそらく史上初であろう。このデータはまず闘病者に利用してもらいたい。そのためのツールとして、TOBYOはバーティカル検索エンジンを公開している。次に政策立案者、保健行政、医療機関、学会、研究機関、医療関連企業等にも活用してもらいたい。そのためにTOBYOは、これらのプレイヤーが利用しやすい形での情報提供サービスを考えている。

TOBYOプロジェクトの三つのビジネス・レイヤー」でも説明したが、これらプロフェッショナル・プレイヤーに対する情報サービスはマーケティング・レイヤーに位置づけており、闘病体験データベースに基づく「リサーチ&コミュニケーション」事業を想定している。TOBYOプロジェクトはまず「医療マーケティングのデータインフラ」という役割を果たしたいのだが、それだけでなく、一種の研究機関やシンクタンク的な役割も目指して行きたい。

いずれTOBYOプロジェクトは「ネット上にある闘病体験ドキュメント」のほとんどすべてを可視化するようになるだろうが、このように空前の規模で集まった闘病者の生の声を、医療評価、政策評価、制度設計、製品&サービス開発、医学研究などに活用することが考えられる。そのために、たとえば調査研究レポートのような定期刊行物(有料)を検討している。これは闘病者・消費者の声を特定テーマに即して収集分析し、闘病者・消費者の医療ニーズを広く社会に知らしめていくものである。 続きを読む