医療マーケティングのデータインフラをめざして: TOBYOマーケティング・レイヤー

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昨日エントリで見たように、TOBYOプロジェクトの全体イメージは三つのレイヤーで整理できる。そのうち第三レイヤーは今後公開することになるが、いろいろ考えた末「マーケティング・レイヤー」と名付けた。個人的には、なんだか少し気恥ずかしいネーミングである。

かつて「20世紀型のマーケティングは終わった」との思いを強く持ったのは、ちょうど10年前の1999年の年末頃。コンピュータの「2000年問題」なんかが取りざたされていた時期だが、もっぱら当方の関心は、繁栄を極めた20世紀の広告とマーケティングがはたして世紀を越えて存続できるものかどうかにあった。すでにCRMなども登場していたのだが、それらの発想には、何か古い尻尾を引きずっているところがあるような気がした。認知科学の応用なども提起されてはいたが、そんな小手先の対応で「マーケティングの終焉」を救うことはできないと思えた。

それから10年間、ある意味では意識的にマーケティングから離れようとしてきたのだが、ここへ来て再び「マーケティング」に出会うことになろうとは思ってもみなかった。だが、この10年間の大変化を経て、かつてのマーケティングをそのまま復古させるわけにはいかない。まったく違う「マーケティング」というものを考える必要があるだろう。他方、近年再び「ソーシャルマーケティング」あるいはCSRという言葉をあちこちで目にするようになった。これらの言葉は1970年代後半の米国で登場したのだが、今日、新しい時代の文脈で新しい意味を持って使われるようになった。 続きを読む