固有名詞で医療を可視化する

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従来、具体的な病院や医師の評価に関する情報は、自分の周囲のごく少数の限られた人からのクチコミ情報によって細々と伝えられていた。医療を選択するための十分な情報がなかったのだ。インターネットはこれを変えた。掲示板、個人サイト、ブログ、SNSなどで、闘病者は自分の医療体験を続々と公開し始めた。いつのまにか、病院や医師や治療法についての情報はネット上にあふれだしたのだが、これら情報を吟味し、医療選択のために提供するような方法は確立していなかったのだ。

TOBYOプロジェクトでは、闘病体験に限定した特化型検索機能を開発し公開している。これによって消費者・闘病者はスパムやゴミを除去した集合知から、求める医療体験情報を探すことができる。だが、この集合知に病院名、医師名、薬品名など固有名詞が十分に含まれていなければ、ユーザーは検索時に事実を特定することはできない。私たちがおよそ2万件近い闘病サイトの現状をチェックした限りでは、固有名詞の明記はまだ不十分であるとの印象である。 続きを読む