選択の自由

先週は雑事であわただしく過ごし、ブログの方もおろそかになってしまった。なんだかんだと言っているうちに6月に入り、しかも今日は梅雨入りの可能性まで天気予報で言われている。夏はもうすぐだ。

夏へ向けてわれわれが取り組まなければならないのは、まず、TOBYOの全文検索を全病名へ拡大することである。これができた段階で、名実ともにTOBYOはベータ版となる。春先、アルファ版の段階では、会う人から異口同音に「TOBYOは、結局、闘病記のリンク集なのか?」と言われていた。あの段階では、たとえ闘病記の収録数は大きいとしても、たしかに「リンク集」と言われてもしかたない状態であった。それに闘病記のリンク集なら従来からいくつか存在したし、今後も出てくるだろうが、結局、ある地点まで行ってしまえば「リンク集のジレンマ」とでも言うべき問題に直面するとも思っていた。 続きを読む

固有名詞によって事実を可視化する

TOBYOは先週末ベータ版を公開したが、実際に使ってもらったユーザーの方から様々なご指摘をいただいている。ありがたいことである。今後、機能改善を細かく積み上げると同時に、各機能のわかりやすい説明に留意しなければならない。「できる限りシンプルなツールを作る」ことを目指したのだが、まだまだ改善の余地はある。当然、ユーザーのご意見、ご要望を指針として進めていくことになるが、これから継続的にTOBYOを改善していくために、ユーザーが直接参加できるような仕組みも検討したい。 続きを読む

ブログ主導型事業開発

引き続き、TOBYOベータ版について様々な反響を頂戴しているが、Next Doctors’ Diaryから、「Welcome TOBYO !」というエントリをいただいた。

そのエントリには、「検索エンジンで『闘病記』、と検索しても闘病記を横断的に収集し、検索できるようにしているサービスは見かけません。逆にどうして今まで無かったのでしょうか?」とあるが、まさにこのような疑問から、われわれのTOBYOは始まったと言えるだろう。 続きを読む

医療情報と医療営業情報

TOBYOベータ版の公開をひかえ、目下、プレゼンテーション素材などを準備している。二月に早々と「TOBYO STRUT」というテーマソングは作ったのだが、そのまま放置しておいた。このテーマソングは、プロモーション用のショートムービーのために制作したのだが、肝心のムービーの方はまだ手付かず状態である。一方、プレゼン用のスライドについては、ほぼ構想も決まり現在制作中。

ところで、プレゼンスライドを作りながらPCのファイルを整理していると、二三年前、ある大規模病院チェーンに提案したプロジェクト企画書が出てきた。ざっと見渡しているうちに、何か、はるか大昔の遺物を見るような感にとらわれたのは、ここ二三年のうちに当方のビジネス・スタンスが大幅に変わったこともあるのだろうか。はっきり言ってしまえば、われわれが医療機関に対してプロジェクト提案するようなことは、今後、もうないだろう。また、もしも仮にそのような機会があるとしても、それに取り組むだけのモチベーションが当方にはない。日本の医療機関から、新規性のある大規模プロジェクトが立ち上がることは、おそらくないと思っている。 続きを読む

英国の患者体験収集プロジェクト: Case Journal

CaseJournal

先週、英国ガーディアン紙に、BMJ(British Medical Journal)の前編集長リチャード・スミス氏によって、患者体験を「ケースレポート」として大規模に集めるプロジェクト「Case Journal」に関する記事が投稿された。それによれば、従来の「ケースレポート」は医療者のみが執筆する専門的なレポートであったが、それを患者が自発的に書いた体験記まで含め、将来は大規模なオンライン患者体験DBに集約する計画であるらしい。

患者はこれまで、自分たちの体験したことを発信するメディアを持たなかったが、今やソーシャルメディアを使って、膨大な患者発の闘病情報が社会へ向け発信されるようになった。伝統的医療界の内部からも、今後、このような「患者発の情報を医療に活かす」という動きは当然出てくるだろう。 続きを読む