Doctor2.0プレゼンテーション

Health2.0における新しい医師像「Doctor2.0」を体現する存在と言われる、ニューヨークのジェイ・パーキンソン医師。診療所も診察室も持たず、地域コミュニティとインターネット・ツールを結びつけた従来にない「無店舗医療」業態を打ち出して注目されている。その彼がこの春、HIMSSでおこなったプレゼンテーションスライドをご紹介しておこう。

ライドは全部で480枚にも及ぶが、非常にシンプルでスタイリッシュである。しかし、いつもながら、ジェイ・パーキンソン医師の卓越したマーケティング・センスには感服させられる。医療に対する消費者ニーズの洞察がみごとである。「マーケティングは知識よりもセンスである」ということの見本が示されている。

(なお、残念ながらファイルが大きいので、はじめのスライド74枚分しかアップできませんでした。悪しからず。)

三宅 啓  INITIATIVE INC.

英国CHIの遺産

HC

昨日(7月15日)の朝日新聞夕刊を食卓でぼんやり見ていると、「変わる英国医療。押し寄せる市場化の波2」という記事が目にとまった。「公的機関が満足度調査」という見出しがついたその記事は、保険医療委員会(HC)が実施している「患者満足度調査」を紹介し、英国政府の医療改革が、患者による病院選択の拡大などを通じて、医療の市場化を促進するものと報告されている。 続きを読む

患者SNS「PatientsLikeMe」の概要


現在、数ある患者SNSの中で最も異色であり、しかも最も成功しているとされる「PatientsLikeMe」の概要を伝えるスライドを入手した。昨年末に発表されたもので、すでにほとんどの事柄は周知されているとも言えるが、手短にその特徴を把握するには便利だ。また先日、「Social Uses of Personal Health Information Within PatientsLikeMe, an Online Patient Community: What Can Happen When Patients Have Access to One Another’s Data」と題された本格的な論文がJMIRに発表されたが、いずれ紹介したい。

PatientLikeMeのように難病にフォーカスした患者SNSといえば、先月、米国でかなり大規模なSNSがローンチされている。日本でも一部で難病特化型SNSの試みが始められているようだが、この分野は今後非常に注目される分野である。TOBYOでは、以前から「疾患のテール部分」に位置する難病の闘病記や医療情報に注意を払ってきた。この分野は今後の医療フロンティアでもあり、今後、新機軸をいくつかTOBYOに投入したい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

医療情報の生活者メディア選好度調査

MediaResearch_s米国フォレスターリサーチ社は、生活者が医療情報をどのメディアで入手するのを好んでいるかに関する調査結果を発表した。その結果は「ウェブサイト」(35%)が他メディアを引き離してダントツ一位で、以下「雑誌」(16%)、「新聞」(14%)、「テレビ」(10%)と続く。今日、生活者にとってウェブが最も主要な医療情報メディアになっていることが示されている。

雑誌・新聞など記録性のある印刷媒体はまだ健闘しているが、一方テレビの存在感は薄く、これは近年顕著になりつつある欧米生活者のテレビ離れも影響しているかも。ただし、これら雑誌・新聞・テレビを「トラディショナル・メディア」と括ると40%を占め、これはウェブをしのぐ。しかし、新聞の発行部数減に代表されるように、これらトラディショナル・メディアに共通する衰退トレンドは、やがてウェブが確実に主流メディアになることを示している。

調査実施機関:フォレスターリサーチ
調査実施期間:2007年7月-9月
対象サンプル数:7500人