三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

TOBYOのビジネススキーム

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夏から秋へ。まだまだ日中は暑いが、風や虫の音に秋を感じる日々だ。往く夏を惜しむ暇とてなく、TOBYOプロジェクトは前進していく。予定調和的なシナリオなどあろうはずもなく、方向感覚を頼りに少しずつ局面が動き変わる様を確かめながら、「向こう側」から唐突に開けてくる新たな道の可能性を吟味する。そんなことを飽きもせず延々繰り返しているわけだが、それがおもしろい。その過程では、こちらが想定していなかった新たな「気づき」を促してくれるような事々も、遠慮なく「こんにちは」と生起してくるし、また、当然それらへの「学び」が重要になってきている。つまり、トップページの姿など表面上は変化なく見えて、どんどんプロジェクト自身は変わっているのである。 続きを読む

次世代ワイヤレス患者モニタリングシステム: MBANs


米国FCC(連邦通信委員会)は、次世代のワイヤレス患者モニタリングシステム「MBANs」(Medical Body Area Network systems)の周波数帯割り当てと運用へ向けた技術とサービスの基本ルールを提議した。MBANsは当面医療施設内部での利用が想定されており、体温、脈拍、血糖値、血圧、呼吸機能などデータを、患者が直接装着する計測デバイスからワイヤレスでダイレクトに施設内ハブへ送信し、どこからでも医療者がモニタリングすることが可能になり、データをEMRに保存し医療スタッフ全員でリアルタイムに共有することができる。患者は、これまでのように接続ケーブル類に身体を拘束されることがなく、体位や移動の自由度が増す。また、計測機器類の設置場所などに患者をとどめ置く必要もなくなり、「場所の制約」から自由な医療提供が可能となり、医療品質の向上が期待できる。 続きを読む

Googleが医療情報検索結果とGoogle Health所収情報を統合

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Googleは8月27日から、ユーザーが医療関連キイワードで検索した時、検索結果ページトップに、関連するGoogle Health所収情報の抜粋を表示している。(例:インフルエンザ)。この抜粋にはGoogle Health、MayoClinic、MedlinePlus、WebMDなどのリンクも合わせて表示されている。

従来から、特に医療情報検索においてGoogleの評判は芳しくなかった。信頼性の怪しい情報などノイズが大量に検索結果に表示されていたからだ。また同時に表示される検索連動広告も科学的根拠の薄弱な民間療法や健康食品等が少なくなく、ユーザーに混乱を与えているとの批判は絶えなかった。だがしかし、これは汎用検索エンジンとしての宿命であり、根本的な解決はバーティカル検索エンジンによるしかないだろう。

今回のGoogle Healthとの「統合」だが、もちろんGoogle Healthのプレゼンスを高めるということはあるだろうが、それよりも検索結果の信頼性の改善という狙いの方が強いような気がする。なおこの「統合」は米国国内だけで提供されている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

医療情報専門のセマンティック検索エンジン登場: healthBASE

healthBASE

セマンティック検索エンジンとは「テクストの意味を理解する検索エンジン」のことで、これまで様々な検索エンジンが登場してきたが、医療情報のみのバーティカルなセマンティック検索エンジンとしては、おそらくこのhealthBASEが初めてであろう。

「テクストの意味を理解できる」ということは、ウェブ上にある膨大な情報をその内容によって機械的に分類できるということだ。だから検索結果を、情報内容によって分類して提示することが可能となる。たとえば「胃がん」という検索ワードによってGoogleで検索してみると、情報内容とは無関係にページランクに従って検索結果は表示される。つまり薬剤情報も症状情報も治療情報も区別されず、「胃がん」についての各種情報が一緒くたに表示されてしまうのだ。これではユーザーにとって不親切である。だがhealthBASEの場合は、「胃がん」で検索してみると、「治療、原因、合併症、治療の賛否」という大分類と、さらにその下位の小分類に情報を整理して検索結果を提示してくれる。これは便利だ。 続きを読む

シフトするEHR認証基準: 技術基準から「意味ある利用」(Meaningful Use)へ

春先から米国ではEHR認証問題で論争が巻き起こってきたのだが、その中で登場したキイワードが「意味ある利用」(Meaningful Use)である。これら一連の論争の背景には、オバマ政権の医療IT促進政策、とりわけ巨額のEHR補助金をめぐる新旧医療IT陣営の戦いがある。

従来からプロプライエタリな「クライアント/サーバ・モデル」のEHRを手掛けてきたITベンダー各社に対し、「時代遅れでコスト高、しかも相互運用性が低い」との批判が高まり、この批判はさらにこれまで独占的にEHRの技術基準を定め認証を行ってきたCCHIT(Certification Commission for Healthcare Information Technology)およびそれを支援するITベンダー業界団体(HIMSS)に対する「利益相反」批判へと拡大したのである。(「EHR認証団体に対する利益相反疑惑」

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