三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

TOBYO収録闘病サイト数、5000件を越える

トップページの表示は以前のままだが、昨日(6月18日)の時点で、TOBYOの収録闘病サイト数は5000件を越えた。また、「TOBYO病名データベース」に採取された病名数は現在434件で、そのうちサイト収録済みの病名は392件。現在、TOBYOでは「がん、良性腫瘍」分野の闘病サイトだけを対象とするバーティカル検索をテスト運用しているが、同時に、これを全病名へ拡大する準備を進めている。

日本の闘病ネットワーク圏にはたしてどれくらいの数、闘病サイトが存在しているかはまったく定かではないが、とりあえず1万サイト程度を可視化できた時に、その全体像の輪郭といったものが現われてくるのではないかと思っている。だが、今の時点でも確実に言えることは、この闘病ネットワーク圏が日々膨張しつつあるということだ。これら膨張し続ける「闘病体験情報のミクロコスモス」から、ユーザーが必要な情報を迅速に取り出すことができるように、TOBYOは努力を続けていきたい。 続きを読む

患者SNSの「trusera」が正式オープン

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今年初めのエントリでも取り上げた米国シアトル発の患者SNS「trusera」だが、先週から「ベータ版」表示がとれ、正式公開版がリリースされた。この「trusera」は元Amazon在籍者が中心になって事業化されているので、「Amazon譲りの・・・・」とでも言うべきか、とにかく優れたサーチテクノロジーがコアとなってそのサービスを支えている。

まずこの正式公開版を見ての感想は、「以前のバージョンから、ずいぶん思い切った整理をしてきたなあ」ということ。サイト内は二層に分けられ、まず「ストーリー、アンサー、ピープル」の各一覧ページが位置するトップレイヤー、そして会員ユーザーごとの「プロファイル、ストーリー、アンサー、フレンド、ジャーナル」を表示するユーザーレイヤーで構成されている。このあたりは、非常にすっきりと整理されている。 続きを読む

明日の医療を予感させるHello Health

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昨年から話題になり、このブログでも以前(ここここ)紹介したニューヨークの開業医ジェイ・パーキンソン医師。同僚のショーン・コージン医師と共に、ニューヨークで新しい地域医療サービス「Hello Health」 を立ち上げた。

「Hello Health」はIM、ビデオチャット、メール、スケジュール共有など、既存のありふれたツールを駆使し、契約顧客宅に訪問して医療サービスを提供する「無店舗医療」である。顧客とは普通のツールでコミュニケーションしているが、診察時にはPCにインストールされた先進的EHRシステム「Hello Health」を使用している。紹介ビデオをご覧いただこう。

ジェイ・パーキンソン医師の例を見ていつも関心させられるのは、そのインターネット技術の活用方法よりも、むしろその卓越したマーケティング発想である。このような医療の新業態創造は、もちろんインターネットの積極活用が支えているのだが、それ以上に今日の医療に対する消費者ニーズの洞察が素晴らしい。その独特の医療マーケティング論を、先日開かれたHIMSSサミットでジェイ・パーキンソン医師はプレゼンテーションしているが、そのスライド「Where is the Healthcare Revolution」は、おそらく今日の医療マーケティング論のベストではないかと思う。いずれまたご紹介したい。

三宅 啓

われわれが考える医療ウェブサービス

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今年は当方のTOBYOをはじめ、日本でいくつか従来にない方向性を持った医療ウェブサービスが登場して来ている。今後、さらに新しいサービスがどんどん登場し、シーンが活性化することをまず期待したい。そして、いくつか登場してきた新しいサービスを興味深く見ているうちに、TOBYOの立ち位置や目指すべき方向性について、新たに気づかされることも多い。

それら「新たに気づくこと」は多岐にわたるが、その中で一番重要なポイントを挙げるとすれば、それはわれわれがTOBYOに込めた「こだわり」を再確認させられた、ということになるだろう。その「こだわり」とは、闘病サイト、およびそれらによって形成された闘病ネットワーク圏に対する、われわれの強い「こだわり」である。別の言い方をするならば、われわれは日本の医療ウェブ分野で起きている、闘病者の行動によってもたらされた「ネット的な現象」に対して、かなり強い「こだわり」を持っていると言えるだろう。この「こだわり」の強度によってわれわれのTOBYOは、自然に、よそとはかなり異なる位置に立っているのかもしれない。 続きを読む

米国最大手HMOがマイクロソフト社Health Vaultを採用

KaiserMHM

10日(火曜)のニューヨークタイムズによれば、米国最大のHMO(保健機構:Health Maintenance Organization)であるカイザーパーマネンテが、マイクロソフト社のPHRであるHealth Vaultを採用しテスト運用を開始する。

当初は、カイザーパーマネンテ従業員15万6千人の個人医療データを使いテスト運用するが、運用が順調であれば、870万人のカイザー会員データをHealth Vault上のPHRにアップし、血圧計や万歩計などモニター装置による付帯サービス提供等を開始する予定。 続きを読む