Wikipediaの医療版、「Medpedia」年内に登場。

Medpedia

今日のTecCrunchに「MedPedia: 医療検索のWiki化を目指す」とのエントリが出ている。Wikipediaにもたしかに医療分野の情報は収録されているが、所詮「付け足し感」は否めず、やはり医療専門の百科事典メディアが欲しいものだと思っていたが、とうとう実現されるようである。

詳細はTecCrunchに譲るが、この「Medpedia」構想はかなり本格的な取組体制が頼もしい。これまでもWebMDなど個々の医療ポータルサイトで医療情報は提供されてはきたが、もっとオープンな参加性を備えたパブリックなプロジェクトこそが必要であったと思われる。その意味で、医療界はもちろん政府機関までを束ねたこの「Medpedia」プロジェクトは、今後、米国における社会的医療情報インフラへと発展する可能性を持つものと期待される。

日本でもこのようなプロジェクトは必要だろうが、「いったいどこがやるのか?」と考えてみると、はっきり言ってどこもやりそうにない。まず、医療エスタブリッシュメントがやるわけがない。この「Medpedia」プロジェクトの発起人を見ると、やはりベンチャー系の人のようだ。日本でもベンチャーが狼煙を上げるしかないだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

Doctor2.0プレゼンテーション

Health2.0における新しい医師像「Doctor2.0」を体現する存在と言われる、ニューヨークのジェイ・パーキンソン医師。診療所も診察室も持たず、地域コミュニティとインターネット・ツールを結びつけた従来にない「無店舗医療」業態を打ち出して注目されている。その彼がこの春、HIMSSでおこなったプレゼンテーションスライドをご紹介しておこう。

ライドは全部で480枚にも及ぶが、非常にシンプルでスタイリッシュである。しかし、いつもながら、ジェイ・パーキンソン医師の卓越したマーケティング・センスには感服させられる。医療に対する消費者ニーズの洞察がみごとである。「マーケティングは知識よりもセンスである」ということの見本が示されている。

(なお、残念ながらファイルが大きいので、はじめのスライド74枚分しかアップできませんでした。悪しからず。)

三宅 啓  INITIATIVE INC.

闘病者2.0

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昨年来、Health2.0について様々にその定義や注目すべき事例が語られてきたが、よく考えてみると、それらはややもすると「サービスの作り手、送り手」など供給側の視点に立つものが多かったのではないだろうか。そう考えると、たしかに医療消費者や闘病者側の新たな動きというものが、あまり紹介されてこなかったことに気がつく。これを端的に表現すれば、「Health2.0サービスやDoctor2.0は登場したが、Patient2.0は登場していない」とでもなるだろうか。 続きを読む

医療ビデオ共有サービスは出現するか


Johnson & Johnson社は、先日、YouTubeにヘルスチャンネル「JNJhealth」を開設した。ここに置かれたビデオは、ブランド訴求や製品説明などプロモーションを目的とするものではなく、もっと消費者に身近で一般的な健康問題を取り上げ、健康に暮らすための問題提起をしている。ビデオにはJ&Jの製品はおろかブランドすら一切露出されない。また著作権さえ放棄しているかのように見える。 続きを読む

イザ!TOBYO  –TOBYOと「iza:イザ!」のコラボレーション–

iza!

現在、ニュース・ブログポータルサイト「iza:イザ!」(産経デジタル)とTOBYOのコラボレーションが検討されている。その中で、とりあえずこの「TOBYO開発ブログ」を「iza:イザ!」の「専門家ブログ」で配信する方向が決まりつつある。このブログをそのまま「同時再送信」するのか、少し内容を変えた「アネックス」で行くのか・・・。まだ細部は、今後詰める余地を残している。

「iza:イザ!」はマスコミが運営するポータルサイトとして、言うまでもなく現時点で最も先進的なサイトであり、こことTOBYOが何らかの接点を持つことができるのは非常に光栄である。このようなチャンスをいただいた産経デジタルの皆さんには、この場を借りて感謝の意を表明しておきたい。

ところで、TOBYOは自己完結した閉域にユーザーを「囲い込む」ような戦略をとらない。TOBYOは「闘病ネットワーク圏を可視化する便利なツール」をめざしているが、そのことは、他のサービスやツールとのオープンなコラボレーションを常に追求していくことを、最初から前提として想定している。

その意味で今回の「iza:イザ!」とのコラボレーションをはじめ、今後、さまざまなプレイヤーとのコラボレーションを作っていきたいと考えている。医療界であれ非医療界であれ関係なく、組織の大小も関係なく、来る者は拒まず、新しい「日本の医療」を考えるすべての人々と協力して、TOBYOは新しい価値をユーザーに提供できるように努力していきたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.