リニューアルオープンしたOnlife

onlife

昨日「参加型医療の時代」というエントリをポストしたが、奇しくも同じ日に「ユーザ参加型プロジェクト」を標榜するサイト「オンライフ」がリニューアルオープンした。「みんなでつくる闘病支援サイト」とあるが、これだけではわかりにくい。要するに病名ごとにコミュニティをつくり、そのメンバーがウェブ上の闘病情報を共同して整理共有していくためのプラットフォームであるようだ。

春先にオープンした時にはTOBYOのフォロワーみたいに見えたが、その後かなりの変更を加え再登場した。「病名ごとのコミュニティ」と言うと患者SNSを想起するが、このオンライフは患者SNSとも言いにくい。患者SNSなら会員メンバーが日記を書くなどUGCが内部に蓄積されるのだが、オンライフはメールやショートメッセージ以外、UGCを内部で積極的には作らないようだ。このあたり、日本ではまだ本格的な患者コミュニティが登場していないので、できれば挑戦してもらいたかった。 続きを読む

競争激化する米国医療ポータル市場

EverydayHealth

10月3日付けNewYorkTimes で、スティーブ・ケース率いるRevolutionHealthが同じ医療ポータルサイトのEverydayHealthに吸収合併されたことが報じられた。夏以来、身売り話があちこちで囁かれていたRevolutionHealthだが、結局、医療ポータル分野における「二位、三位連合の誕生」という形に決着した。

吸収合併ということで、EverydayHealthを運営するWaterfront Media社がRevolutionHealth側のウェブサイトをはじめすべての資産を引受け、経営のリーダシップを握ることになる。合併にともなうRevolutionHealthの評価額はおよそ1億ドル。ちなみにサイト開発時の投資総額はおよそ5億ドルであった。 続きを読む

クラウド・コンピューティングと医療情報システム

Cloud_Computing

先月の中ごろに、米国でクラウド・コンピューティングの医療への活用について議論が活発に交わされていた。これにはクラウド・コンピューティング業界による医療界への売り込みという側面も見え隠れしていたのだが、一方ではEMR、EHR、PHRなど医療情報システムが乱立してきており、円滑なデータのやりとりをする上でクラウド・コンピューティングの活用が注目されて来ているという事情もある。 続きを読む

Health2.0企業の基本条件: 啓蒙から参加へ

米国のHealth2.0論争はまだ続いているが、では結局のところ、Health2.0企業が成功する条件とは何なのだろうか。改めてこんな風に問題を立ててみると、今やその結論はきわめてシンプルな形で提示できるような気がする。このブログも、この問いに答えを見つけるために延々と書いてきたわけだが、ああだこうだと書き散らかしているうちに、いつの間にか問題は収斂してきている。 続きを読む

「リアルの補完物」からの飛翔

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RevolutionHealthの失敗に端を発し、先週から米国ブロゴスフィアで始まった「Health2.0論争」だが、収拾するどころか一層燃え広がる気配である。論点は徐々にHealth2.0のビジネスモデル問題へと移動しつつあるようにも見えるが、これはいくら議論しても仕方ないかもしれない。とにかく誰が見ても納得できる成功事例が出現するまでは、どんな仮説でも主張できるからである。アイデアを持っている人間は、議論のためにそのアイデアを検証するよりは、現実にそいつを実行すべきだろう。 続きを読む