コメントへの御礼

Sky01

しばらくブログの方は休みにして、ここのところ連休もTOBYOの仕事に集中していた。世界恐慌を思わせる事態が進展しているが、この経済危機が「20世紀-21世紀」という時代の切断線を鋭く引いてしまうのであれば、あるいは古いシステムを本質的に淘汰するのであれば、それはそれで前向きに受け止めることができるのかもしれない。

たとえばGoogleのストリートビューをめぐって、最近ブロゴスフィアで議論があったが、本質的に新しいものは「異形」に見え、従来システムと摩擦を起こすものである。本質的に新しいものは、過去と未来の間に明確な切断線を引き、どちらの側に立つのかを無慈悲に迫るものである。今日の日経「Monday Nikkei 法務」欄でもこのストリートビュー問題を取り上げていたが、この記事が「切断線」のどちら側に立って書かれているかは明らかだ。それは「便利かのぞき見か両論」というキャプションの振り方を見ればわかる。

さて、ブログを休んでいる間に有益なコメントをいくつかいただいたので、ここでまとめてお礼申し上げたい。ありがとうございました。

まず「見放された闘病者についての考察」に対して、Kentiさんから傾聴すべきヒントをいただいた。たしかにご指摘のように、何らかの注釈をつけて闘病記を紹介するという方法があるので検討してみます。nishiさんからは代替医療の他に統合医療(Integrative Medicine)の存在を示唆していただいた。アンドルー・ワイルなどが提唱しているのは耳にしていたが、その後大学でも取り組まれていることを教えてもらった。

「書評:次世代マーケティングプラットーフォーム」に対しては、この本の著者である湯川さんご自身からコメントをいただいた。恐縮です。Health2.0にもご注目いただければ幸いです。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

ウェブ闘病記の流儀

pencils

マスコミ関係者から取材を受けたりする時に、必ず聞かれる質問は「ウェブ闘病記の信頼性」の問題である。そしてこの質問が発せられる時、いつもこれとペアで対比的なニュアンスを持って言及されるのは「患者会」である。つまり「ウェブの個人手記など信頼できないが、リアルの団体なら信用できる」と言わんばかりなのだ。このような予断がどうしてマスコミ関係者の間に多いのかは謎だが、ウェブに対する本能的な憎悪みたいな、何か寒々しい意図の気配さえそこには感じられるのである。 続きを読む

伽藍とバザール

bazaar

TOBYOの闘病記1万件検索機能の準備を進めながら、一昨日触れたエスター・ダイソンの言葉に触発されつつ、「Health2.0とは?」ということを考えている。今朝も、ふと目覚めてみると、その問いが天井から舞い降りてきた。昼食後、快晴の新宿御苑遊歩道を散歩している時に、抜けるような青空から秋の陽とともにその問いは降ってくる。 続きを読む

クラウド・コンピューティングと医療情報システム

Cloud_Computing

先月の中ごろに、米国でクラウド・コンピューティングの医療への活用について議論が活発に交わされていた。これにはクラウド・コンピューティング業界による医療界への売り込みという側面も見え隠れしていたのだが、一方ではEMR、EHR、PHRなど医療情報システムが乱立してきており、円滑なデータのやりとりをする上でクラウド・コンピューティングの活用が注目されて来ているという事情もある。 続きを読む

Health2.0企業の基本条件: 啓蒙から参加へ

米国のHealth2.0論争はまだ続いているが、では結局のところ、Health2.0企業が成功する条件とは何なのだろうか。改めてこんな風に問題を立ててみると、今やその結論はきわめてシンプルな形で提示できるような気がする。このブログも、この問いに答えを見つけるために延々と書いてきたわけだが、ああだこうだと書き散らかしているうちに、いつの間にか問題は収斂してきている。 続きを読む