オープンソース方式で医学調査研究:CureTogether

CureTogether

新しい患者SNSとして登場したCureTogether。一見してPatientsLikeMeと似ているのだが、「open source health researchのプラットフォーム」であることを強調しているところが非常におもしろい。新薬開発、新治療法開発にともなう調査研究を、Linux開発などと同じように、オープンソース方式でやってみようというのである。

HIV/AIDSや癌をはじめ、新薬や新たな治療法の開発が急がれている疾患は多いが、これまでは個別製薬メーカーが、調査研究に莫大な開発費用と時間を投資して開発を進めていたわけである。製薬メーカーにとって開発リスクは大きいものの、いったん開発が成功すれば、特許によって独占的に巨大な利益を上げることが可能であった。だが、これら新薬開発など医学的成果は個別企業が独占するものではなく、広く人類の公共財としてパブリックに共有すべきものだとの批判も一方には存在したのである。知識情報をはじめ医学的成果は、もともとパブリックな性格を有しているはずだからだ。 続きを読む

日本のHealth2.0:milog(つぶやき型ライフログSNS)


本日(2月13日)、twitterライクな「つぶやき型SNS」にライフログ(生活情報記録)機能を加えた「milog」(ミログ)が公開された。東京大学、東京工業大学の2人の学生が開発したこの「milog」には、医療サービスを提供する構想もあるようだ。

東京大学医科学研究所と共同研究で、医療系ウェブサービス開発、3月から臨床研究を実施。

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーション社会連携部門と連携し、禁煙外来、メタボリック外来を対象とした慢性疾患系外来患者の生活習慣改善プログラムの取り組みの継続率、成功率を検証する試みを、都内医療機関の協力のもと09年3月~5月に臨床研究実施、09年末に医療論文の研究発表を予定しております。(プレスリリースより)

実は当方は、以前からtwitterを利用した医療サービスに注目しており当ブログにエントリをポストしたこともあるが、現役の東大生で「milog」を開発した城口さんから、そのエントリをヒントに開発されたとのメールを頂戴した。本当であるなら、たいへんうれしいし、また非常に光栄である。 続きを読む

日本のHealth2.0:オンライフの進化

OnLife090212

昨日(2月12日)、「みんなの闘病サイト、オンライフ」バージョンアップ版が公開された。同社の津田社長ブログによれば

簡単に言うと、「疾患プロフィール」と「闘病日記」機能の追加により
「患者さん向けSNS」のようなサービスになったということです。

とのこと。「疾患プロフィール」とは闘病記作者プロフィールを「基本情報」、「自己紹介」、「関わりのある疾患」、「患者年表」、「投薬履歴」、「関心のあるキーワード」で整理できるページ。「闘病日記」機能とはその名のとおり闘病ブログを書く機能。これによって、疾患ごとの共用プラットフォームと個人プラットフォームの連携が強化され、サイト全体がすっきりと見通し良くなった。 続きを読む

医療とITの不思議な関係

オバマ大統領の医療政策が、次第に明らかになってきている。いささか乱暴に要約してしまうと、医療保険加入者の拡大とHIT(医療情報技術)導入推進による医療コストダウンということになるだろうか。後者だが、「5年以内にすべての医療情報を電子化する」とのオバマ大統領発言を聞いて、「あれ?、じゃNHINはどうなるんだ?」と素朴な疑問が湧くのである。

NHIN(National Healthcare Information Network)構想は、ブッシュ政権の医療政策の目玉として華々しくブチ上げられた。たしか当初計画では「2012年までにすべての医療情報を電子化し、全米医療ネットワークを構築する」との目標が掲げられていたはずだ。だが一昨年あたりからこの計画に対し、あちこちで疑念が囁かれるようになった。HHSのレビット長官の孤軍奮闘もむなしく、現に計画進捗状況は大幅な遅れを見せていたからだ。 続きを読む

レセプトオンライン化提訴って?

今朝未明、うつらうつらしながらラジオのニュースを聞いていると、アナウンサーが淡々と「レセプトオンライン化に医師グループが提訴」とのニュース読み上げているのに気がついた。「えっ?まさか。冗談だろ。夢でも見てるんだな」と思い直し眠りに戻った。だが、事務所へ出て半信半疑ながらネットで調べてみると、次のような記事があるではないか。

レセプトオンライン請求義務化は憲法違反 医師ら961人が提訴
産経ニュース 2009.1.21 21:48

厚生労働省による診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求義務化は、営業の自由などを侵害する憲法違反だとして、35都府県の医師や歯科医師961人が21日、国に対して、義務の不存在確認と1人あたり110万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。

レセプトのオンライン請求義務化は平成20年4月から段階的に実施されているが、23年からすべての医療機関で義務化される。原告らは、「オンラインでの請求には新たに専用のパソコンを導入する必要があり、100万~300万円の費用がかかるため対応できない。医療機関は診療報酬の請求ができなくなり、廃業に追い込まれる可能性もある」と主張。

また、情報漏洩(ろうえい)の危険性があるほか、法律による改正ではなく、省令改正で診療報酬請求権に制限を設けるのは違憲としている。

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