三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

PHRとHealth2.0:プレゼン・スライド

先週、ワシントンDCで開催された米国医療法律家協会(AHLA)年次総会において発表されたスライド。発表者はRobert Coffield氏。彼は法律家として「Health Care Law Blog」でHealth2.0の論陣を張ってきている。このスライドではPHRとHealth2.0の位置関係が若干語られているが、少し食い足りない気もする。おそらくPHRは、Health2.0のみならず医療システム全体の基本インフラになるはずなのだが、それを言うのはもう少し先なのかも知れない。 続きを読む

医療コミュニケーションの視点

先日エントリで日本の医療機関ウェブサイトの現状について、かなり悲観的な見方を書いた。ちょうどハーバードメディカルスクールのCIO(Chief Information Officer)を務めるJohn Halamka氏が、BIDMC(Beth Israel Deaconess Medical Center)のウェブサイトの全面リニューアルについてのエントリをTHCBにポストしたので、改めてこの問題を考えてみた。

BIDMCサイトはMS「SQL Server 2008」上に構築されているのだが、サイト上の様々な機能を、各種アプリケーションプロバイダーから調達し組み合わせて最適化して出来上がったものである。サイト上の各機能とそのプロバイダーは次のようになっている。 続きを読む

ある闘病者の言葉

sky

あなたが無駄に過ごした今日は
昨日死んでいった誰かが生きたいと願った 明日です

「あたしの生き方」 yukari5907 高次脳機能障害

闘病サイトのドキュメントを読んでいると、しばしば「ドキッ」とする言葉に出会う。このサイト「あたしの生き方」作者の言葉も、最近、記憶に残った言葉の中の一つである。なるほど、われわれは「死者」の視点から見た「未来」に生きているのだ。このような「死者の視点」に気づかせてくれた貴重な言葉である。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

闘病ユニバースへのリスペクト

TOBYO_Universe

私たちが、外部の人から日頃よく訊かれる質問がある。それは「TOBYOのようなサービスは海外にあるのか?」という質問である。それに対し「海外にはTOBYOのようなサービスは存在しない」と答えると、たいていは意外な顔をされる。まあ、このブログで海外の新しい医療サービスを多数紹介しているので、きっとTOBYOも、それらのうちの或るサービスから発案されたのだろうと見られても、ある意味当然だとは言えるだろう。だが、TOBYOは生粋の「Made in Japan」なのだ。

TOBYOは私たちのオリジナルアイデアだが、そのことをあまり自慢するつもりはない。なぜなら、正確に言えばTOBYOは日本の闘病ユニバースが生み出したものだからだ。15年前に日本で商用インターネットが始まって以来、日本では「ネットで闘病体験を公開する」という文化が自然発生的に生まれたのである。現在、ネット上にはおよそ3万件(推定)の日本語闘病サイトが開設されているが、この15年間に、この闘病ユニバースは量的にも質的にも進化してきたのである。 続きを読む

医療情報検索対象の拡大について

蒸し暑い。こんな季節は早朝出勤に限る。朝っぱらから、ギューギューの満員電車で汗まみれで通勤するなんてごめんだ。というわけで、今朝は五時に家を出て六時前に事務所へ到着。新宿御苑周辺は爽やかな風が吹いていた。

今週から七月。今年も半分終わり。今年後半の計画はもう決めてあるが、これもどんどん柔軟に見直していかねばならない。TOBYOだってどんどん柔軟に変化していく。ユーザーベネフィットをどんどん詰めていくと、現状のままでいいはずがない。コアを残しつつも、新機軸を投入していく。

まず、TOBYOは闘病体験に焦点を絞った情報提供をしているが、あと医療機関や研究機関の医学情報まで提供することになれば、TOBYOのワンストップ性は高まるだろう。ユーザーは、あちこち他のサイトを見て回る必要が減るからだ。だが、TOBYOはその名のとおり「闘病体験」というものに強くこだわってきた。今後も基本は変えるべきではない。しかし、基本は残しながら少し守備範囲を広げても悪くはないだろう。 続きを読む