ここ二年ほど、次世代ウェブ医療サービスのシンボルと目され、世界がその動向を注目してきた「Google Health」。だがプロジェクト開発は難渋し、ローンチは遅滞し、そして今年8月に行われた中間報告プレゼンテーション実施と同時に、とうとうGoogle Health開発リーダーにしてアーキテクトであったVPのアダム・ボスワース氏(写真)はGoogleを去って行ったのである。その後、「GoogleHealth」はマリッサ・メイヤーVPに引き継がれることになったことは、以前のエントリーで紹介した。 続きを読む
作成者アーカイブ: 三宅 啓
患者SNSレビュー: TauMed
TauMedは今年の四月にローンチされた患者SNS。だが、他のSNSと違い、高機能バーティカル検索エンジンがむしろサービスの軸に位置しているように思える。患者SNSは今年に入って、特に米国で多数ローンチされており、他の同類サイトとの「差別化」がサイト戦略の中心課題になりつつある。
このTauMedの場合、優秀な検索エンジンが重要な役割を果たしているが、これは通常のSNSから見ると特異なスタイルといえよう。なぜならSNSである限り、当然ユーザーに提供するコア機能はコミュニティ&コミュニケーション機能であるはずなのに、TauMedでは検索など医療情報操作機能がメインになっているからである。つまり、ユーザーが医療情報を「検索、保存、共有」することに重点が置かれている。 続きを読む
ディジーズ・マネジメントとHealth2.0
「ディジーズ・マネジメント」とは、米国の医療保険会社によって、医療コスト削減と医療クオリティ改善の両方を実現するために開発された医療プログラムのことである。ちなみにDMAA(米国ディジーズ・マネジメント協会)によると、その定義は以下のように述べられている。
自己管理の努力が必要とされる患者集団のために作られた,ヘルスケアにおける介入・コミュニケーションのシステム。医師と患者との関係や医療計画をサポートする。エビデンスに基づく診療ガイドライン,患者を主体とする医療の戦略により,症状悪化・合併症の防止に重点をおく。総体的な健康改善を目標として,臨床的,人的,経済的アウトカムを評価する。
Disease Management Association of America(「ディジーズマネジメントとは何か」(坂巻弘之,森山美知子)の訳文)
23andMeの遺伝学教育ビデオ
これをHealth2.0と呼ぶべきかどうか躊躇われるところだが、とにかく今最も注目すべき新しいウェブ医療情報サービス領域の一つが、23andMeをはじめとする「個人遺伝子情報分析・保存、病気リスク予測」分野であることはまちがいない。今月に入って、各社一斉に商品化を表明している。だが、この分野に生活者・患者側の大きな潜在的ニーズがあるとは思われるものの、少なくとも次のような課題解決が必要条件となるだろう。
- 病気リスク予測精度の向上
- 個人遺伝子情報を活用する医療体制(医師、施設)の整備
- 個人遺伝子情報利用の法的環境整備
医療改革キャンペーンサイト:ChangeNow4Health
今週月曜日(11月19日)、新しいスタイルの医療改革キャンペーンサイトとして注目される「ChangeNow4Health」が、ニューヨークで記者発表されローンチした。このサイトは、アメリカの大手医療保険HUMANA社が全面的にバックアップしており、消費者、雇用者、医療提供者、医療保険など主要な医療当事者が結集し、危機的状況にある米国医療改革を推進することを目指している。 続きを読む