医療情報の生態系 2

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前回エントリでは、日本語ウェブ上の医療情報について、量よりも質を先に論じるような「問題」の立て方自体がおかしいと指摘した。医療界や行政などから出てくる医療情報量の少なさを見ずに、個人や民間企業の「怪しげな情報」だけを取り上げて警戒心を煽るような「問題」の立て方こそが問題なのだ。本来、医療界や行政側の医療情報が量的にもっと充実していれば、「怪しげな情報」の突出も後退するはずだ。医療情報を生態系として捉える視点とは、全体のバランスを考量する視点であり、一方を指弾する視点ではないだろう。

では、これから医療情報生態系はどのような進化をとげるのだろう。そろそろ今後のビジョンを思いめぐらす時期に来ているのかも知れないと、最近考えることが多い。というのは、ここ数年ウェブを支配してきたWeb2.0がそろそろ終わるかもしれないからだ。その兆候として、すでにSBMやRSSの関連サービスの衰退が指摘されている。数年前に一世を風靡したdiggの大規模リストラが伝えられるご時世なのだ。確かにSBMやニュース・アグリゲーターなどは、早晩、ツイッターに代替される可能性が高い。また、2.0に代わってソーシャルウェブという言葉が語られることも増えてきている。

欲しい情報へ到達する手段が、検索エンジンやSBMからツイッターやFacebookにシフトする可能性も論じられている。これらツールやサービスの消長の先にどんなウェブがあり、そしてどんな医療情報の生態系があるのだろうか。そんなことを考えはじめている。 続きを読む