ALS(筋萎縮性側索硬化症)とインターネット


いまだ治療方法の確立していない難病は多い。それら難病の患者にとって、インターネットは最も手軽な最新情報ソースとして利用されてきた。昨年11月、英国バーミンガムで開催された第19回ALS/MND国際シンポジウムで、インターネットがALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者や研究者にどのように利用されてきたかを歴史的に概観するプレゼンテーションが患者SNS「PatientsLikeMe」から発表された。

世界各地で1990年代初期のパソコン通信時代から、オンラインでALSの情報交換を行おうとするチャレンジが始められてきたが、インターネットの登場によってその動きは加速され、web1.0、web1.5、web2.0とウェブが進化するのに伴い多彩なサービスが生み出されてきた。短いプレゼンテーションだが、特定の難病をめぐるインターネットの活用方法の進化を、歴史的に概観する貴重な記録となっている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

2009年、この国の希望

Exodus

世界的経済危機のせいだろうが、今年は年初から世の中は悲観論一色である。今日の日経朝刊「経済教室」では、作家の村上龍氏が「希望再興へビジョン描け」と題する長文の提言をしている。

  1. 世界的な信用収縮への危機意識にズレ
  2. 社会各層の利害対立で不信の連鎖起きる
  3. 高度経済成長で失われたものの再構築が必要

村上氏の論旨は以上三点である。なかでも第二点では、派遣社員の契約打ち切りをめぐるマスメディアの感情的な報道を批判し、「需要変動時に雇用調整を行うのは、経営者の恣意的な行動ではなく資本主義に組み込まれたシステムだから企業・経営側を悪役にすればそれで解決するというものではない」と正論を展開している。また第一点でも「ひょっとしたら今回の危機は循環的なものではなく、歴史的な大転換期なのかも知れないという仮定に立ったシミュレーションと将来的ビジョンが必要だと思うのだが、ほとんど感じられない」としている。 続きを読む

2009年の吉本隆明

昨夜のNHK教育「吉本隆明 語る ~沈黙から芸術まで~」。夕飯時、妻から番組の存在を聞かされた時、一瞬、見ようか見まいか躊躇した。しかし放送時間になると、やはり見てしまわずにはおれなかった。なんとなく、これが大勢の聴衆を前にした吉本の最後の講演になるような気がしたからだ。

番組を見てみると、やはり「ある覚悟」を抱いて聴衆の前に立つ吉本氏の姿を確認することになった。老醜を隠しもせず、まわらぬ不自由な口を懸命に開いて押し出す声は、時には明確な言葉を結ぶことなく空中に消失し、時には不意に降ってきた想念に中断され、本人の意図に反してあちこちに砕け飛沫と散る結果となった。だが、それでもなお一脈の想念というものが、強い説得力を伴って聴き手に迫ってくるのである。だから、言いたいことは「200%」わかるのである。 続きを読む

2009年のベンチャー的「迎春」

Geishun2009

快晴に恵まれ、穏やかなお正月の日々。
例年なら、のんびりまったり過ごしているはずだが、今年はずいぶん趣の違うお正月になった。

昨年晦日まで仕事を続け、なんと元旦の朝一番にミーティング。いくらなんでも、これはやり過ぎ。長い仕事人生をふりかえってもこんな経験は初めてだが、できればこれが最後であってほしい。

昨秋から着手してきた検索エンジンのチューニングが「あと少し」まで来てはいるが、まだ完了していない。正月もぶっ飛ばしてこれに没頭していたわけである。約二千サイトの一般サイト検索はすでに完成して公開している。一方、遅れに遅れたブログ検索のほうはまだまだ完成度は低いが、これは徐々に改善を積み上げるしかない。近々公開。温かい目で見守っていただければありがたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.