「日本版PHR」の行方

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昨年立ち上げられた経産省、厚労省、総務省、内閣官房による「日本版PHRを活用した健康サービス研究会」だが、先月にはひととおりの議論を終え、研究報告書を発表したようだ。ざっとこれまでの議論について配布資料等に目を通したのだが、何か議論の拡散ぶりばかりが目につき、いまいち密度の高い「収束力」の存在を感じ取ることができなかった。

各人各様のPHR論があってもそれは構わないのだが、こうまで研究会メンバーが多人数すぎると、もとより議論の収束点は消失するほかないのだろう。「総花的な、とっ散らかったPHR談義」という印象をぬぐえない。 続きを読む

ウェブと日本の医療


Twitterを三分以内で説明するビデオが、おなじみのコモンクラフトから公開された。そのわかりやすい説明には、いつもながら舌を巻く。これを見ていて、ちょうど先日ポストした「Twitterで禁煙」というエントリを思い出した。このシンプルで軽快なコミュニケーション・ツールには、まだまだ医療でも使えるサービス領域があるように思う。 続きを読む

TOBYOの「宿題」

PatientMeetsPatients

TOBYOベータ版の肝が「TOBYO事典」(闘病記特化型検索機能)であることは、一昨日エントリで説明したとおり。これは、ウェブ上に既に蓄積されてある巨大な闘病体験集合から、必要な情報を簡単に探し出す仕組みを提供するものである。そしてこの「TOBYO事典」と一緒に、当初、実は「TOBYO資料集」なるものを作る構想があった。こっちの方は、たとえば医療費とか薬剤など個別テーマに関する断片情報を、たとえて言うとバインダーに綴じ込んでテーマごとに整理参照できるような、そんなアイデアだった。同じく「レファレンス」コーナーに設置される情報共有ツール「キャビネット」に集まる情報を、テーマごとにまとめるようなイメージでもあった。しかし、当面この「資料集」は先送りすることにした。現状でも「キャビネット」に集まる情報を、タグで絞り込んで特定テーマに関するものだけを表示することが可能だからだ。 続きを読む

日本のHealth2.0


(ビデオは、Health2.0春季コンファレンス会場でのスコット・シュリーブ氏インタビュー)

医師SNS「Next Doctors」の石見代表取締役ブログ「Next Doctors’ Diary」に、「患者中心の医療とコミュニケーションについて:講演決定」というエントリ がポストされた。来月某講演会での石見先生の講演概要について紹介されているのだが、「ご覧の通り、まだ題名と小題しか決まっていませんが、TOBYOさんなどを参考に、資料を揃えていきたいと思います。」と書かれていた。

講演主催者のサイトを見ると、次のような講義内容が掲出されている。

  1. コミュニケーションの現実~Next Doctorsでの実例
  2. 今までの患者・病院間のコミュニケーションを振り返る
  3. 米国での患者中心の医療の流れ~Health 2.0~
  4. 日本での患者間情報共有サービスの現状
  5. 医療スタッフ、病院としてトレーニングに活用していくには?

当方としては、上記の中で「米国での患者中心の医療の流れ~Health2.0~」が取り上げられているのがうれしい。おそらくこれが、日本の公開の席でHealth2.0が講義される最初の機会だと思われる。石見先生、どうぞご遠慮なく。当方ブログで講義に使えるものがあれば、どんどん使ってください。

ところで、日本におけるHealth2.0だが、そろそろムーブメントとして立ち上げていきたいものだと思う。無論、当方としてはTOBYOを起動するのが先決なのだが、新しいムーブメントと様々なビジネス起業が同時に立ちあがるような、そんなことがもし可能なら、きっと素晴らしいだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

LifePaletteアルファ版

LifePalette

新しいウェブ医療サービスが誕生した。LifePalette。トップページには「全く新しい患者サイト」との文言があるが、このLifePaletteは闘病記ホスティングを軸とする闘病者体験共有サービスであるようだ。

まずは、アルファ版ローンチ、おめでとうございます。
今後のご発展と大きな成果を収められることを祈念いたします。 続きを読む