緊急要請:新型インフルエンザ闘病体験収集について

H5N1

わが国でも、今月に入り新型インフルエンザが猛威をふるっています。TOBYOでは新型インフルエンザ闘病体験を収集・公開し、広く闘病体験を共有したいと考えています。

まずTOBYOでは、とりあえず「TOBYOレファレンス」_「TOBYOキャビネット」に、最近、新型インフルエンザに感染された方々の闘病体験を11ケース収録しました。下記のリンクよりご参照ください。

「TOBYOキャビネット-『新型インフルエンザ』のカード」

//www.tobyo.jp/reference/1-2-3-0.php?disease_id=910

今後、TOBYOでは新型インフルエンザ闘病体験について収録件数を増やしていきますが、TOBYO会員の皆様には、ウェブ上の新型インフルエンザ闘病体験の発見・収録にご協力いただきますようお願いします。(新型インフルエンザ闘病体験記載ページを「フォルダ」に登録してください。)

また、一般ブロガーの方々にお願いします。今後、万一、あなたもしくはあなたのご家族が新型インフルエンザに感染された際は、闘病体験記録に以下の情報を付加した上でブログ公開してください。同時に、エントリURLをTOBYOにお知らせください。

  1. 患者の性、年齢、居住地(都道府県)の記載
  2. 時系列で症状を整理
  3. 医師の診断、処方薬、注意などの記録

以上、よろしくご協力のほどお願い申し上げます。

Share Our Experience!

●この件についての問い合わせ先:
TOBYO運営事務局   tobyo@initiative.co.jp

すべての闘病体験を可視化し検索可能にする

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今朝、オリオン座流星群を見るべく早起きしたが、予想外に近所の街灯などが明るすぎ、あまりよく見えず残念。(写真は国立天文台の速報。観測地:山梨県鳴沢村、10月20日1時41分)

10月19日付ワシントンポストによれば、「SNSなど新しいタイプの(Health2.0スタイルの)サイト数は、四年前の35から現在約500近くまで増えてきている。」とのことである。また、「概ねこれらのサイトは、会員の医療情報を匿名化して企業に販売したり、治験リクルーティングを製薬メーカーのために行ったりして調査関連で収入を得ている。ほんのわずかのサイトが広告を販売しているが、大多数のサイトはまだ収益を上げていない」としている。

一方、Health2.0コミュニティのマシュー・ホルトなどは「今まさにわれわれが見ているのは、市場ライフサイクルにおける成長期の初期段階である」と述べている。対してここ日本では、まだHealth2.0サイトというもの自体がきわめて数少ない状態であり、市場ライフサイクルではようやく「導入期」のとば口についたばかりと言うべきか。

とはいえ、日本でも春からがん患者コミュニティやがん患者SNSが相次いでオープンされたりして、新しいチャレンジもいくつか散見される。これら日本の動きも、このブログでまとめて取り上げたいと考えている。 続きを読む

ブロゴスフィアの現状(雑感)

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テクノラティ日本のサービスが終了したらしい。ブログ検索というテーマは、私たちもバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」開発に取り組んでいるだけに、他人事ではない。そういえば二三年前まで、よくテクノラティを利用してブログ検索していたものだが、考えてみると最近はほとんど利用しなくなった。なぜだろう。おそらくフィードリーダーなどで読むべきブログを限定して事足りているせいもあるだろうし、Googleなど他のブログ検索エンジンが精度を上げてきていることもあるだろう。そして、もう一つは、スパムブログの増大などブロゴスフィア自体の問題もありそうだ。

TOBYOは日本のブロゴスフィアを「闘病体験」という側面から見ているのだが、その過程でいくつも気になることに遭遇した。まず、偽装闘病記や単なるアフィリエイト目当てのスパムブログが大量に発生しており、汎用検索エンジンでこれらノイズを除外することは難しくなっている。次に、ブログの大衆化が急激に進んだ結果だろうが、最近、基本的なリテラシーさえ身に付けていないブログ管理者が急増している。インターネットの肝にあたるところを知ろうとせず、逆に根拠のない先入観や、自分たちだけの奇妙な風習や迷信にとりつかれて大騒ぎするような場面も見受けられる。これらを見ていると全部ではないにせよ、ブロゴスフィアが妙に閉鎖的で、身内意識が過剰、デマゴーグに扇動されやすくなっているようにさえ見える。窮屈になっているのだ。これは今に始まったことではないかもしれないが。 続きを読む

ネット医療情報利用実態と今後の展望

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以前、ブログなどで闘病体験を公開している日本の闘病者はおよそ三万人であり、全患者に占める割合は非常に小さいと書いた。このことについて、その後あれこれ考えていたのだが、去る6月「Pew Internet & American Life Project」が発表した米国におけるインターネット医療情報利用実態調査報告書を見ると、やはり同じような傾向が米国にもあることがわかった。Health2.0ムーブメントの隆盛がある一方では、このような厳しい現実も存在することを直視したい。

まず同報告書は「米国成人のうち61%が医療情報を求めてインターネットにアクセスしており、これは2000年(25%)から著しく増大」としている。しかし「インターネットの世界に一層深く関与しつつも、引き続き米国成人は医療情報のトラディショナルソース(医師、家族、書籍等)も参照している」とも指摘している。そして注目すべきは同報告書が「インターネットによる医療情報利用者のうちの約半数は、自分のためにではなく、誰か他人の代理で情報を検索している」と指摘しているところだ。これでいくと、実際に自分のためにネット上の医療情報を利用しているのは成人の約30%になる。 続きを読む

新しいファンドレイジング手法: ドネーション・ミュージック


去る7月1日から、ACジャパン(旧公共広告機構)の「国境なき医師団」支援キャンペーンCMがTV放映されている。このテーマソング「BEYOND THE BORDER」が9月30日からドネーション・ミュージックとしてネット配信されている。ドネーション・ミュージックとは楽曲をダウンロード購入した際、コストを差し引いた収益金を寄付する仕組みだ。収益金は「国境なき医師団」に全額寄付される。今回のキャンペーンでは複数のミュージシャンやアーティストの参加が予定されており、今後ドネーション対象作品は増えるようだ。このキャンペーンを企画運営しているのは電通ソーシャルデザインエンジン。

クリック募金をはじめ、非営利団体のファンドレイジング(資金開拓)手法がさまざまに開発されてきているが、今回のドネーション・ミュージックもその一環と考えてよいだろう。当方のTOBYOプロジェクトも目下、資金還流スキーム作りに取り組んでいるのだが、これらファンドレイジング手法を採用することになるし、今回のドネーション・ミュージックのような方向性は、スキームを考える際大いに参考になる。 続きを読む