本日、TOBYOベータ版公開。「いつもどおり」と言うべきか、今回も遅れに遅れてしまい言い訳の余地もない。しかしこれでようやく、当初、われわれが構想していたTOBYOの基本像は出来上がったのだ。出来上がってみると、患者体験情報に特化したバーティカル検索エンジンとしては世界初である「TOBYO事典」が、TOBYOのコアに位置する機能であることが明確になった。 続きを読む
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TOBYO事典(闘病記バーティカル検索エンジン)、もうすぐ公開
とうとうGoogle Healthのベータ版が公開されたが、TOBYOベータ版の公開準備も進んでいる。このベータ版に搭載される、闘病サイトだけを対象とするバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」のテストを進めているが、われわれが当初予想していたよりも、一層、強力な仕上がりになってきているので公開が楽しみだ。
当初、TOBYO事典が検索対象とするのは「がん、良性腫瘍」分野の闘病サイト約1500で、対象総ページ数は約30万ページになる。企画段階でその検索能力や使用イメージなど、当然われわれは理解していたつもりだったのだが、いざ実際に使ってみると、予想以上に使い勝手のある便利な機能であることが体感できた。 続きを読む
Google Healthベータ版、ついに一般公開へ
昨日19日、Google本社で「Factory Tour of Search」と題した報道関係者向け広報イベントが実施され、席上、マリッサ・メイヤーVPからGoogle Healthベータ版の公開が発表された。この広報イベントの模様は、「TechCrunch」で詳しくレポートされている。先週「Google Healthのビジネスモデルをめぐって」をポストしたが、あのエントリ中に「来る19日(月)にマウンテンビューの本拠Googleplexに幹部召集がかけられ、云々」と「Tom Foremskiブログ」を引用した件は、この「Factory Tour of Search」のことであったのだ。
さて、ようやくその姿を見せたGoogle Health。思えばここまでの道のりは長く、また波乱にとんだものであった。2年前の春に出るといわれながら、結局、出たのはGoogleCo-op。さらにその後、才気煥発アーキテクトであるアダム・ボスワースVP(当時)の指揮によって開発が進められたものの、昨夏のボスワース氏自身の「辞任劇」など、ずいぶんと話題を提供してくれたものである。 続きを読む
英国の患者体験収集プロジェクト: Case Journal
先週、英国ガーディアン紙に、BMJ(British Medical Journal)の前編集長リチャード・スミス氏によって、患者体験を「ケースレポート」として大規模に集めるプロジェクト「Case Journal」に関する記事が投稿された。それによれば、従来の「ケースレポート」は医療者のみが執筆する専門的なレポートであったが、それを患者が自発的に書いた体験記まで含め、将来は大規模なオンライン患者体験DBに集約する計画であるらしい。
患者はこれまで、自分たちの体験したことを発信するメディアを持たなかったが、今やソーシャルメディアを使って、膨大な患者発の闘病情報が社会へ向け発信されるようになった。伝統的医療界の内部からも、今後、このような「患者発の情報を医療に活かす」という動きは当然出てくるだろう。 続きを読む
Google Healthのビジネスモデルをめぐって
去る2月に開催されたHIMSSコンファレンスのキイノートスピーチで、エリック・シュミット氏自らが発表したGoogle Healthであるが、その後、クリーブランドクリニックとのテスト運用は実施されているはずだが、他にこれという話題も聞こえてこない。
Google Healthについては、そのサービス概要のみならず、やはりビジネスモデルに深い関心が寄せられているのだが、HIMSSでの記者会見では、エリック・シュミット氏はあっさりと広告モデルの可能性を否定してみせたのである。一方、昨秋、Googleのマリッサ・メイヤーVPはユーザー課金の可能性を示したが、まさかこれはないだろう。Google Healthを取り巻く競争環境は、マイクロソフトのHealth Vaultやインテル陣営のDOSSIAとの「三すくみ状況」になっており、Google Healthだけがユーザー課金するわけには行かないはずだ。 続きを読む