三宅 啓 の紹介

株式会社イニシアティブ 代表 ネット上のすべての闘病体験を可視化し検索可能にすることをめざしています。

バーティカル検索エンジン「TOBYO事典」正式公開延期のお知らせ

目下、闘病記だけを検索対象とする初のバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」の開発を進めているが、予定していた12月1日正式公開は12月15日へ延期することになった。その代わりと言ってはなんだが、本日から、これまでテスト運用してきた「TOBYO事典」の全文検索対象サイト数を、暫定的に2061サイトに拡張したのでお試しいただきたい。15日にリリースする正式公開版は、TOBYO収録の1万を越える全サイトを検索対象にする。

約1万件にのぼる闘病サイトのインデクシング作業は先月すでに終了しており、これは全部で約100万ページに達する。ただ検索エンジン自体の最終調整が予想以上に手間取ったために、余儀なく公開延期せざるをえなくなった。 続きを読む

Great American Health 2.0 Motorcycle Tour


米国家庭医学会の医療ITシニアアドバイザーを務めるDr.David Kibbeが、HONDAゴールドウイングにまたがり、全米のHealth2.0ピープルを訪問するという設定のビデオが公開された。制作は、昨年Health2.0コンファレンス冒頭を飾るオープニングビデオ「Health is….」で話題を呼んだSCRIBEMEDIA.org。Health2.0の「今」をシャープに捉えている。

Dr.David Kibbeのこのツアーはボストン、ニューヨーク、テネシーそしてシリコンバレーを経由し、各地のHealth2.0ピープルにインタービューしている。インタビュー相手は下記リストを参照。

TelaDoc, American Well, PatientsLikeMe, New York Times columnist Tara Parker-Pope,Hello Health , MinuteClinic,change:healthcare, Google Health, HealthlineMedHelp ,Kosmix

Health2.0という呼称に批判的なNYTコラムニストのタラ・パーカーなどのコメントもあるが、全体として、様々な関係者の多様な知見を結集しながら、Health2.0が実践的なムーブメントとして成長している雰囲気がビビッドに伝わってくる。必見のビデオである。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

ウィキ型思考の医療人

wikipedia

世の中には予想を裏切る意外なコトが多い。だから面白いのだ。もちろんその「意外さ」には、それに接してがっかり落胆するような意外さもあれば、「なかなかやるじゃん」と元気が出る意外さもある。たまたま偶然、「少数の専門家と多数の非専門家」と題された講演抄録を見て「意外!」の念に打たれたのだが、この場合はポジティブな意味においてである。

この講演は、先ごろ実施された「JIMAインターネット医療フォーラム2008」における国際医療福祉大学の開原成允教授によるものである。 続きを読む

ネットスーパーと闘病情報

昨日の朝、朝食を食べながら時計代わりのテレビをぼんやりと見ていたら、ニュース番組でネットスーパーの活況ぶりを報じていた。そういえば10年程前、ドットコムバブル崩壊前夜の米国でネット食品スーパーが多数登場していたことを思い出したが、その後どうなっただろうか。今日の日本で、大手量販店各社が一斉にネットスーパー事業に乗り出しているのは、年々リアル店舗の売り上げが減少しており、新しい顧客とそこへリーチするチャネル開発が必要になっているからだ。その際、ショッピング等であまり外出しないような高齢者が重要なターゲットとして浮上してきているのは想像に難くない。彼らにネットで在宅ショッピングサービスを提供すれば、低コストで地域高齢者の利便性に寄与することにもなる。

だが、ここでいつも決まっておなじみの「問題」が指摘されることになる。「ではネットにアクセスできない高齢者をどうするのか?」という問題である。二ー三年前に国立がんセンターがん対策情報センターを設置する際にも、主として患者団体などからこの「問題」が指摘され、ウェブサイトを開設するだけでなく、あわせて同等の内容をもったパンフレットを数百万部印刷配布することになったと記憶する。 続きを読む

多様性の創造

昨日の「消費者の医療観」に関連して、消費者ニーズと医療サービス提供の間のギャップがやはり問題になると思う。特に日本の場合、医療サービス提供方法がかなり画一的であり、これと消費者ニーズが相当大きくずれているのではないかと考えられる。消費者のライフスタイルや生活時間実態に医療の方が対応できず、逆に「提供者側の都合」を消費者に強いるようなかたちになっている。基本的には「消費者側の都合」に提供者側が合わせなければならないのだが、医療の場合は例外的に、従前からの対応硬直性がそのまま残されているように見える。

大衆消費社会は消費者ライフスタイルの多様性を生み出したが、流通などは新業態開発などによって、これらにいち早く対応してきた。だが、医療、金融、行政などの対応はいちじるしく遅れてきた。「24時間、365日」が当たり前になりつつあるサービス業にあって、これら業界は、いまだ「提供者側の都合」の発想から抜け出すことができないのだ。ここに大きなギャップが存在する。ギャップは苛立ちや不満の温床であり、あるいは容易に不信へと転化する。 続きを読む