「フラット化する医療情報」時代のリテラシー

HealthLiteracy

11月12日付け毎日新聞、東京版朝刊の記事「健康情報:見極めるには リスク、便益、費用…比べ選択 事例、還元し学び合う環境を」で、ほんの少しだがTOBYOが紹介されている。この毎日新聞記事は、先月掲載された朝日新聞記事「ネットの医療情報、見極める」とほとんど同じテーマを扱っている。おそらく朝日の記事に触発されたのだろう。

記事では、「二人の中山教授」による医療情報リテラシー解説が中心になっているが、特に中山和弘・聖路加看護大教授の下記コメントに共感した。禿同。

似た境遇にある人同士の体験情報の共有は「社会的なヘルスリテラシーを上げることにもつながる」と期待する。「自分だけ良い情報をもらって良い意思決定をしようというのは難しい。成功例や失敗例を還元し、学び合う環境をみんなでつくっていく意識が必要だ」

インターネットの登場により、『上意下達式に「正しい医療情報」を拝受する』という情報パターナリズムが過去のものになり、医療情報がフラット化してしまった以上、ネット上にオープンになった情報を「ユーザーが評価し、共有し、活用し、さらに評価する」という実践的利用サイクルをまわしていくことが重要になっている。極論すれば医療情報は「伽藍」からありがたくも説教されるものではなくなり、「バザール」でオープンに価値付けされ交換され共有されるものになった。「独占的に上から降ってくるもの」ではなく、「フラットに評価・共有されるもの」へと変わったのだ。これらの結果として、「個のエンパワーメント」が強化された反面、ユーザー一人ひとりの自己責任に帰せられる部分も増えた。 続きを読む