書評:「フラット革命」

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昨春発表された「Google、既存のビジネスを破壊する」(文春新書)以来、佐々木俊尚氏の2.0関係の著作は出るたびにすべて読んできたが、本書は佐々木氏がこの間論考してきた諸問題を、ある意味で中間的に集大成する労作。

■「フラット革命」 佐々木俊尚 著、講談社

まず、この書名を見て「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン)を想起する向きも多いだろう。フリードマンが提起した新しい世界像と共鳴しながら、本書はさらに日本の「戦後社会」を貫徹してきた同質的なゲマインシャフト崩壊後に出現した新たな社会の光景を、インターネットを結節点として、マスメディア、ジャーナリズム、政治、社会、文学、公共性等、様々な現実を切り出して見せてくれる。 続きを読む