d2をファーマコビジランスに活かす

WEB-RADR

ヨーロッパのファーマコビジランス・プロジェクトWEB-RADR。

前回エントリが昨年11月だから、ずいぶんブログ更新が滞ってしまった。暮れ、正月はとっくに越し、すでに立春を過ぎたわけだが、2月というのに今日など異常な高温である。なんだか季節がハッキリしないのだが、とにかく当方は仕事を続けてきた。

昨年秋、患者ブログ調査プラットフォーム「d2」(ディーツー)をリリースしたが、まだ世の中に周知させる前から広く関心を頂戴し、成約もいただき、幸先良いスタートを切ることが出来た。関係者の皆さんに深く感謝している。

d2の用途と利用阻害要因

さて、いろいろな反応を頂戴する中で、最近とりわけ深く感銘を受けそして驚いたのが表題にある「ファーマコビジランス」である。d2開発の過程で、当然さまざまにユーザーの用途を想定していたのだが、このことだけは我々の盲点になっていた。否、正直に言えば、むしろd2のように患者の声を直接届けるサービスにとって、ファーマコビジランス、そして一般に有害事象(AE)報告関連にかかわる諸規制は、むしろ阻害要因になるのではないかと考えていた。

これまで製薬会社の方々からd2について、「d2で患者の声を直接聞きたいとは思うが、有害事象報告の件が・・・・」と言葉を濁されることがたびたびあった。それゆえに、有害事象関連情報を見ないですむような仕組みが必要かとも考え、実際にd2上のツールにそのような機能の実装を考えたり、あるいは他の方法で有害事象関連情報を回避することも検討した。 続きを読む

d2と医療マーケティング

近日公開予定のd2サイト・トップページ・イメージ。

長い道のりだった。この「TOBYO開発ブログ」は2006年12月から開始され、以来9年が経ち、来年にはもうまるまる10年になる。当時米国西海岸に立ち上がったHealth2.0ムーブメントと伴走しようと、患者体験共有「TOBYO」プロジェクト開発に取り組みながら、少しづつその目指すべきビジョンと方向性を固めてきた。ビジネスモデルとしてB2Bのデータサービスが必要であるとはわかっていながら、その具体像を見定めるのに手間取り、出来上がってきた初代「dimensions」には何か物足りなさを感じることさえあった。

さらにそれから、闇の中を手探りで進むような数年が過ぎ、ようやく私たちは「d2」という成果物を幸いにして作り上げることが出来た。そして再びあらためて周囲を見渡してみると、そこには10年前とはまるで違った景観が広がっていた。2005年ごろから始まったweb2.0に触発されて、おそらくHealth2.0も私達のTOBYOプロジェクトも起動されたはずだが、そのweb2.0で夢想された理想主義や予言された革命は、いつの間にかまったく別物の「現実と日常」に置き換わってしまっていた。今日あるようなSNSやコミュニティやネット世論は、当時予想された「ネットの近未来像」とは相当異なった相貌を呈していると言わなければならない。 続きを読む

ワンストップ・プラットフォーム「d2」


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患者ブログ調査プラットフォーム d2

d2 LOGO

秋が深まり、石神井公園の木々も少しずつ色づいてきた。夏から秋へ。ずいぶんブログを放置してしまったものだが、dimensions2開発の最終ラウンドに取り組んでいた。当初、9月完成の予定だったが、最終調整を経て10月から正式サービス稼働にこぎつけることが出来た。やれやれである。すでに大手製薬会社さんの採用も決定しているが、これから多くの医療関連の企業、団体にご利用いただけるものと確信している。

ところで、まずこのエントリをご覧になって「おやっ?」と思われた方も多いだろう。「d2」という見慣れない文字があるからだ。これは「dimensions 2」の略称である。どうも「ディメンションズ・ツー」というのがいかにも長ったらしいので、短く言い切って「d2」(ディーツー)にした。当面、従来のブランドシグネチャは残すが、いずれ「d2」に集約したい。

患者5万人の声を集大成した、ワンストップ調査プラットフォーム。

d2とは何かと問われたら、畢竟上記の文言になる。過去10数年間、数万を越える患者によって、次々にウェブ上に公開され蓄積されてきた膨大な量の闘病記録。私たちはこれを「闘病ユニバース」と呼んできたが、いまだかつて、これほどまでに大量で多彩な患者体験が公開されたことは歴史上なかった。そしてこの貴重なデータによって、日本の医療の実態が患者視点から可視化され、患者のニーズと感情の精緻な理解に基づいて医療変革が可能となる。このことは誰もが首肯するところだろうが、残念ながら、これまでウェブ上のかくも膨大な患者記録をうまく有効活用する方法がなかったのである。せっかく貴重なデータが大量にありながら、これはもったいないことである。社会の損失である。

私達のTOBYOプロジェクトは、以上のような状況を少しでも変えたいとの思いから出発したといえる。そしてウェブ上の闘病記録を活かすためには、とにかくまずウェブ上の闘病記録を少しづつ集めるところから始めるほかなかった。ずいぶん長い時間がかかってしまったが、きちんとしたデータ収集をしなければ後のステージはないと考えていた。

やがて3万件、5万件とネット上の闘病記録を収集しデータベース化してきたわけだが、ようやくこれらデータ集積サイズを使って、患者が何を体験し、何を感じ、何を望んでいるかを社会に伝えていくフェーズに達したと考えている。d2はそのためのワンストッププラットフォームである。これから少しづつ、d2の機能についてご紹介していくつもりだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

dimensions 2、来月登場

dimensions 2

dimensions 2 コンビネーション・

酷暑の日々。世間はお盆-夏休みモードだが、当方は最後の追い込みで仕事。
来月リリース予定の闘病ブログ調査プラットフォーム「dimensions 2」の完成に取り組んでいる。

「dimensions 2」は、いわば私達のTOBYOプロジェクトの集大成のような成果物になるのだろうと考えている。ここまで来るまでに、いろいろ試行錯誤を重ねた。5万件、1000万ページの闘病ドキュメントを、どうわかりやすく社会に伝えられるかをめぐり、このおよそ5年間を費やしてきたのだが、ようやく結論らしきものが見えてきたと思えたのは、今年に入ってのことだった。

当初、拡張検索エンジン「X-Search」、トラッキング・ツール「Distiller」の二本立てでスタートしたのだが、率直に言ってそれだけで満足できるわけもなかった。そのある種の欠落感を充足するために、特に一昨年から様々な仮説設定と実験に取り組んできた。ようやく欠落感を埋めるものを探し当てたと思えるようになったのは、ごく最近のことである。

dimensions出発時点の2つのツールに、データ分析ライブラリー「Analysis」、そして患者意見抽出・集計ツール「OPINIONS」を加え、dimensionsは4つのツールから成る文字通り日本初の「闘病調査プラットフォーム」へと成長したと思う。そして単に「2が4になった」ということだけでなく、従来の「X-Search」、「Distiller」にも大幅な改良を施している。

日本初の闘病ブログ調査プラットフォーム。「患者のことは患者から直接聞く」ための、唯一のプラットフォームである。様々な医療関係者に使っていただきたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.