NEWS: PHRのニューフェイス”MyMedicalRecords”

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アメリカで新しいタイプのPHR(Persomnal Health Records)サービスがローンチした。PHRの最大の弱点は、ユーザーが自分でデータを入力しなければならないという点であろう。これは大変メンドウであり、長続きするユーザーは少ない。

“MyMedicalRecords.com”は、このやっかいなデータ入力を簡単化しているところが、まず従来のPHRと大きく違う点だ。データ入力にはFAXを使っている。ユーザーは会員登録すると、最初にフリーダイヤル番号を与えられる。検査、領収書、処方箋、写真など、およそ紙に記録されたデータであればなんであれ、それをこのフリーダイヤル番号にFAXすればデータ入力が完了する。FAXで入力されたデータは、PDFファイルに変換されてウェブサイトのセキュアな環境に保存される。これによって、ユーザーはいちいちキイボードでデータをタイプすることなく、どんどん、医療と健康関連の資料をウェブ上にまとめて保存できるわけである。これなら、自分だけでなく他人にも自分に関連した健康データを、FAXで入力してもらえる。医師が手書きしたメモや図などを、FAX入力してもらうことなどを想定している。

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このサービスはたとえて言うと、「医療データの貸金庫のようなものだ」との創業者Robert Lorsch氏の言にあるように、PHR一般が提供する本質的な機能が実は情報保存機能であることに着目し、保存時の容易性とセキュリティに徹底フォーカスしたことが、かえって従来にないスタイルを生み出したといえよう。特にセキュリティは、他のPHRとの差別化ポイントとして徹底して訴求されている。

また、そもそも「貸金庫」であれば、ものは医療情報だけにとどまらない。運転免許証、保険証書など貴重品をここに保存すれば、家事、災害、急病など突発時にも安心だとうたわれている。付帯サービスとしては、リマインダー機能を持つ医師アポイントメント・カレンダー、処方箋DB、薬局に処方箋リフィルをFAXする機能、薬害を避けるドラッグ・インタラクション・ツールからペットの健康記録まで多彩に用意されている。

以前のエントリーでPHRのアウトラインを記したように、これまでどちらかというと大手保険会社やヘルスプランなどの顧客囲い込みのための「おまけ」的な位置づけであったPHRだが、ようやく「専業の」というべきか「独立系」というべきか、いずれにせよPHR単独サービスがついに登場したわけである。利用料金は、家族6人利用まで79.95ドル(年間)。


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