Health2.0 Tokyo Chapter

 Health2.0Tokyo

先週6月4日(金)、第一回Health2.0 Tokyo Chapterが東京・青山で開催された。正確な数は把握していないが、およそ百人近い参加者で会場は満員状態。予想を超える盛会であった。

まず、米国Health2.0ムーブメントを主催するマシュー・ホルト、インドゥー・スバイヤ両氏からHealth2.0 Tokyo Chapterに寄せられたビデオメッセージが披露されたあと、メドピア株式会社の比木取締役COOから、Health2.0基本概念、主なサービス、そして4月パリで開催されたHealth2.0Europeコンファレンスの報告があった。

休憩をはさみ、事務局をつとめられた株式会社メディエイドの杉山社長、メドピア株式会社の石見社長から、日本のHealth2.0事例として、両社の事業であるライフパレットメドピア のプレゼンテーションがあった。最後に今後のスケジュールの説明があり、2011年における「Health2.0 Japan」開催構想が発表された。

続いて、場所を近所のカフェへ移しての懇親会も盛会で、あちこちでHealth2.0をめぐる議論が熱く語られていた。私はグラスを片手にさまざまな人々とお話したが、PHRとか、PatientsLeikeMeなどが当たり前に話題にされているのを実際に目にして感無量であった。また、この「TOBYO開発ブログ」をお読みいただいているたくさんの方々からお声をかけてもらい、こんなにも熱心にこのブログが読まれていることを知って驚いた。

特に印象深かったのは、遺伝子解析サービス、モバイル健康サービス、地域医療サービスなど、新しいテーマに向け果敢に新しい挑戦を開始されているいくつかのベンチャー企業の方々とお話しできたことだ。自分でリスクをとり果敢に挑戦するプレイヤーが実際に出てこなければ、Health2.0も有名無実になってしまう。その意味で、このように新しいプレイヤーがこの分野で登場しつつあることは心強い。

とにかく日本でHealth2.0ムーブメントが実際に動き出した歴史的瞬間を、この夜、この場所で、みなさんと一緒に共有できたことを喜びたい。第一回ミーティングとしては大成功だったと思う。今回このような場を準備していただいた石見社長、杉山社長はじめ、事務局の皆さんに深く感謝したい。

帰路、懇親会の酔いを降り始めた雨で冷ましながら自宅へ歩いていると、ひとつの言葉が頭に浮かんだ。

Only the paranoid survive.

前インテル会長のアンディ・グローブの言葉だ。ここ数年、何かに行き詰まった時、常にこの言葉を思い起こしその意味を考えてきた。この言葉の持つ意味は深く、そしてあらゆる局面でなんらかの指針となる気がする。ちなみに、当方の座右の書「ウェブ時代5つの定理」(梅田望夫、文藝春秋)には、この言葉に対し次のような解題がされている。

「IT産業というのは、つねに大変化の波に揉まれていることを前提に経営していかなければならない。その変化というのは、いつどのように忍び寄ってくるのかよくわからないものであり、何の前触れもなく襲ってくる変化に対して臆病すぎるほど敏感でなければならない。組織全体の神経を研ぎ澄ませて「変化の予兆」を感得できるものだけが生き残る---これが、アンディ・グローブの経営思想です。」(同書「第一定理」、「変化の予兆を感得せよ」)

日本のHealth2.0は2010年6月4日から動き出した。だが、ここから成功事例が出現し、そしてサバイブしていく企業が出てこなければ意味はないのだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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