現在、クチコミ検索エンジン「がん闘病CHART」デモ版を開発中(上図:サイト数等ダミー)。まだデザインなどはラフなイメージ段階だが、ネット上に公開されたがん闘病サイトのうち「乳がん、胃がん、肺がん、大腸がん」について、「検査・診断、治療法、薬、病院、闘病生活」の各ジャンルで、患者が最も話題にしているクチコミ・キイワードをランキング・チャート形式で可視化する。
チャートインしているキイワードをクリックすれば、バーティカル検索エンジンの検索結果が表示される。さらに、検索結果をそれぞれのジャンルに応じた絞りこみ項目でフィルタリングすることができる。このフィルタリング項目の設定が、このサービスの肝になると考えている。
たとえば薬CHARTでは「副作用、費用、処方」のフィルタリング分野を用意している。「副作用」分野を見ると「吐き気、嘔吐、アレルギー反応、発熱、食欲不振、倦怠感、下痢、便秘、腹痛、脱毛、口内炎、白血球減少、手足のしびれ、皮膚や爪の黒ずみ、貧血、関節痛」など、かなり細かくフィルタリング項目を設定している。検索結果画面には各フィルタリング項目ごとのヒット件数も表示される。一口に「副作用」といっても、実際の患者体験に基づくクチコミをここまで細部まで可視化するのは、おそらくはじめての試みではないかと思う。
ちなみに「乳がん-薬CHART」でハーセプチンをクリックすると、約3000件の乳がん闘病サイトだけを対象にバーティカル検索エンジンが起動し、乳がん患者のクチコミ検索結果が表示される。同時に、上記副作用フィルタリング項目のヒット件数もリスト表示される。ハーセプチンの副作用のケースでは以下のような結果となった。括弧内の数値がクチコミ・ヒット件数である。もちろん、各フィルタリング項目で検索結果を絞りこむこともできる。
吐き気(533)、嘔吐(113)、アレルギー反応(31)、発熱(223)、食欲不振(41)、倦怠感(175)、下痢(196)、便秘(198)、腹痛(43)、脱毛(499)、口内炎(146)、白血球減少(35)、手足のしびれ(60)、爪の黒ずみ(5)、貧血(122)、関節痛(153)
<ハーセプチン検索結果画面>
ハーセプチンのみならず、CHART内のすべての薬品に上記項目のヒット件数が表示される。また、まだ未定だが、病院CHARTなどでは患者の病院評価をフィルタリング項目にしたいと考えている。このようにクチコミ検索エンジン「がん闘病CHART」は、きわめてシンプルな機能ながら、かなり強力な患者クチコミ探索ツールにして今までにない患者学習ツールとなるだろう。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
知人が3人も乳がんになりました。手術して終わりというのではなく、長い治療の始まりのようです。是非このサイトを紹介したいです。