「Health2.0 Japan」について

health2.0yvonne

先週、ある夜の席で盛り上がり「ぜひ日本でも、Health2.0 Japanコンファランスをやろうじゃないか!」という話になった。この春にはパリでHealth2.0コンファランスが開催されることもあり、なんとか日本でもやりたい。米国のHealth2.0コミュニティの人たちも呼びたい。一杯入ったせいもあるが、そんな話で楽しく盛り上がった。

だが、翌朝あらためて考えてみると、意外に情況は難しいことがわかった。というのはHealth2.0と銘打ったイベントについて、米国Health2.0コンファランス主催者であるマシュー・ホルトとインドゥー・スバイヤが名称使用権を押さえているのである。そういえば、カナダではMedicine2.0というコンファランスが毎年開催されているが、なぜHealth2.0と言わないのかと訝しく思っていたが、実はこの「権利問題」があったせいなのだ。他に昨年ドイツでもHealth2.0をテーマにしたコンファランスが開かれたが、これも「Health2.0」と表記することができず、わかりにくい名称のイベントになっていた。

なんともセコイ話ではないか。だが「Web2.0」も同じなのだ。これもイベントに関しては、ティム・オライリーの会社がすべて使用権を押さえている。たしか2005年の晩秋だったと記憶するが、アイルランドで「Web2.0」をタイトルに使用したイベント開催が企画されたのだが、オライリー側の警告によって名称使用ができなくなってしまった。困った主催者が窮状をブログで配信したところ、世界から同情が集まり、「Web2.0の権利を押さえるとは2.0の精神に反する!けしからん!」と大量の抗議がオライリー側に殺到したのである。結果、オライリー側のブログは大炎上するに至り、大変な騒動になったことが思い出される。

だが、Web2.0であれHealth2.0であれ、どうしてもイベントがビジネスとして成功するためにはやはり使用権みたいな縛りが必要なのかもしれない。このようにあえて「希少性」を作り出し、それを独占するような利権ビジネスは「必要悪」とも考えられる。それでも納得感は低い。だが逆に、わけもわからず「われこそはHealth2.0企業なり!」などと言っているところに、もしも遭遇することがあったとしたら、なんだか恥知らずで下品な所業に思えて目をそむけてしまうだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


「Health2.0 Japan」について” への1件のコメント

  1. 確かにHealth 2.0が日本でもあれば是非参加したいです。名称使用権の問題を回避するなら、「eHealth 2.0」とか。日本は電子カルテなどの導入率は先進諸国に劣っていないものの、医療情報の二次利用性や流通については、まだまだという状態ということで。

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