ネット時代の医療マーケティング

Manifesto

TOBYOマーケティング・レイヤーの着想にたどり着く過程で念頭にあったのは、昨日のエントリでも触れたが、「20世紀マーケティング復古」とは異なる新しいマーケティングの構想であるが、同時に思い出したのはデビッド・ワインバーガーらの“The Cluetrain Manifesto”のことだ。

ネット時代の新しいマーケティング像を宣言したこの”The Cluetrain Manifesto”は、Health2.0ムーブメントにも大きな影響を与えている。Health2.0に先駆けて2006年秋、米国西海岸で発表された“Health Train : Open Healthcare Manifesto”は、まさに”The Cluetrain Manifesto”の医療版と言えるだろう。

“The Cluetrain Manifesto”の冒頭では次のように宣言されている。

強力な、地球規模の対話が始まっている。インターネットによって、知識情報を共有する新しい方法が、目の眩むような速度で発見され、創りだされている。結果として、市場はより賢くなっている。企業よりも速いスピードで賢くなっている。

かつては企業が市場の編成に貢献していたが、情報化された市場はそういった企業よりも速く自己編成しはじめている。WEBのおかげで、市場はより情報化され、賢くなり、そして現在ほとんどの企業に欠けている質をより厳しく求めるようになっている。

たとえば後段の「企業」を「医療界」に、「市場」を「医療」に置き換えてみると、次のようになる。

かつては医療界が医療の編成に貢献していたが、情報化された医療はそういった医療界よりも速く自己編成しはじめている。WEBのおかげで、医療はより情報化され、賢くなり、そして現在ほとんどの医療界に欠けている質をより厳しく求めるようになっている。

ここにおける「医療」に消費者・闘病者が参加していることは、今更言うまでもないだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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