TOBYOベータ版は現在、闘病記だけを対象とするバーティカル検索機能である「TOBYO事典」のテストを進めている。近々、公開テストを実施することになるが、当面は「胃がん」の闘病サイトだけに限定して、検索機能をテストする予定。そしてベータ版公開段階では、TOBYO収録闘病サイトから、30万ページをインデクシングし検索可能にする。
現在、TOBYO収録の闘病サイト件数は約3100件。これらすべてを検索可能にしたいところだが、当初は30万ページという枠を持って、ある程度検索対象サイトを絞り込んで検索サービスを提供したいと考えている。
本来のバーティカル検索は、特定のテーマを持つサイトのみを検索対象とするから検索効率が良い。だから、闘病体験情報だけが記録されたサイトを対象にすれば、最も検索効率は良くなるはずだが、今日、特にブログの闘病サイトでは、闘病体験以外の日常的な話題が綴られることが増えてきている。そこで、バーティカル検索としての効率を維持するために、検索対象サイトを吟味する必要があるとわれわれは考えている。
いずれにせよ、「闘病体験情報のバーティカル検索」ということでは、日本だけでなく世界でも初めての試みになるはずだ。将来は30万ページという枠を超えて、ウェブ上にあるすべての日本語の闘病体験情報をインデクシングしたい。これが完成すれば、これまでのすべての日本の闘病者体験を「集合体験&集合知」として利用できることになる。そしてこのことが日本医療を変革する一つのエンジンになることを、われわれは強く願っている。
三宅 啓 INITIATIVE INC.