Health2.0ブロード・ビジョン:ノート1

Health2.0_broadvision昨日のエントリーで紹介したブライアン・クレッパー氏とジェーン・サラソーン・カーン氏による”Broad Vision of Health2.0″だが、今後Health2.0を論じる際の基本マテリアルになるはずだ。その概要をノートしておきたい。

Download health20_1011.ppt

まずこれを読む前に、上のリンクからドキュメントをダウンロードしてもらいたい。これはパワーポイントファイルでアニメーション効果がつけられている。ファイルを開き、パワーポイントの「プレゼンテーション・モード」でファイルを見ながら、以下の説明を読んでほしい。

Web2.0のコンセプトは2005年9月にオライリーによって述べられたが、ユーザーが自分の目的のためにデータを再処理(再公式化)することができるウェブベースのプラットフォームであった。Health2.0ムーブメントはエスタブリッシュメント企業とスタートアップ企業によって推進されながら、急速に活況を呈し、状況をけん引する力を獲得しつつある。最近、マシュー・ホルトとインドゥー・サバイヤによってサンフランシスコで開催されたHealth2.0ミーティングで提示された成果は、広範囲にわたりながらも辛うじて焦点らしきものはあった。そうであったとしても、幾人かのパネリストたちは、この初期段階においては、Health2.0を実行するための定義や解釈はあいまいで分裂していると指摘した。

いかにしてHealth2.0が開発されるか、というイメージを作ってみることが、非常に役に立つかもしれないとわれわれは考えた。すなわち、その機能パーツはなんだろうか。そのパーツはどんな種類の情報を受け取りまた生成するのか。そのユーザーは誰であり、そのインパクトはどんなものか。
その結果生まれたイメージはシンプルなものである。これをなしとげるためには、どんな発症機序を探索する必要もなかった。だが、イノベーターたちが一緒になって、いろいろなソースから来る巨大なデータセットをいかに集め再処理し、患者、医療者、そしてすべてのタイプの購買者のために、市場における途方もなく新しい有用性をいかに創造するかについてのビジョンを伝えることがまさに重要であった。

われわれはこのイメージを、われわれが書いているさまざまなサイトに、習作としてポストしようと思う。構造のどこに問題があるか?。われわれが見逃しているものは何か?。どうやればもっと明解に、力強くなるのか。また、どうやれば医療情報マネジメントが連れて行ってくれるはずの、われわれの希望の地に、もっとさらに忠実になることができるだろうか。
あなたたちから聞かせてほしい。われわれは集合して、複雑な問題を考え抜きながら、このイメージをアップデートしていくだろう。

(中略)

では、これまでわれわれが考えたことを見てみよう。(中略)
まずプレゼンテーション・モードでファイルを開き、一回クッリクしよう。最初のエレメントが現れるはずだ。

データ・ソース
要求、臨床データ、薬剤、検査、イメージ。これらは捕捉され、マッピングされASTMのCCR(Continuity of Care Record)のようなフォーマットになる。
(クッリク)

中央データレポジトリー(CDR)
これは大きなデータセットを受け取り、集め、セキュアに保管する。
(クッリク)

CDRの上にはいくつかツールがある。それぞれのツールは違った医療関係者に焦点を合わせている。われわれはここに四つの大きなツールをリストした。まずベンダーマネジメント・ツールは購買者がベンダーを管理するのを助けるツールだ。「ベンダー」という用語はここではかなり広い意味に用いられている。というのは一連の治療においては、ほとんど誰もが購買者かベンダーもしくはその両方であるからだ。雇用者はヘルスプランから医療ベネフィットを買う。そしてそれはさらに順々に医師、病院、他のケア提供者と契約を結ぶことになる。医師と病院は薬剤、機器、消耗品、そして他の製品やサービスその他を買う。医療における最も困惑させられる問題の一つは、たいていの購買者が、ベストバリューを提供する製品やサービスがどれかを決めるための情報を、これまでほとんど持っていなかったということである。購買者に複雑な情報を理解させる意思決定支援ツールのみならず、Health2.0は製品やサービスの価格とパフォーマンスの透明性を創り出すのであり、これらの力は医療を機能する市場としてワークさせ、これまでにない新たな効率のよさと賢い購買意思決定を促進するのである。

個人別のデータはCDRからEHR(図ではEMRと表記)やPHRへ流れる。一度分析され、個人別化にされ、そして非識別化されたデータはCDRから適切なツールへと流れる。
(クッリク)

次はヘルス・マネジメント・ツールで、これは臨床の場の外での患者ケア管理をする医療プロフェッショナルに利用されるだろう。これらはスタッフ、ケース、病気、そしてウェルネスの管理業務を含み、その診療行為は

  1. 健康状態と影響要因のモニタリング
  2. 好ましい行動変化の育成
  3. さまざまな臨床プロバイダーによる医療提供の調整

に焦点を合わせる。
(クッリク)

EHR(The Electronic Health Record)は臨床の場における患者管理のハブであり、ここでは単に患者情報の拡張レポジトリ(つまり遺伝子マップ、ファミリー履歴、代替医療マップ情報の格納庫)であるだけではなく、臨床ディシジョン支援、ヘルスプラン規定、製品/サービス価格、その他を含む複合ツールでもある。
(クッリク)

PHR(The Patient Health Record )はより堅牢なEHRを素人向けにしたものである。それは専門的知識を探すときのガイダンスを含み、消費者の自己管理ツールをそなえている。
(クッリク)

「分析」はCDRにあるデータに適用され、パターンを明らかにし、患者の健康状態を評価し、そして異なった臨床家やベンダーの選択の好ましさを確認する。たとえば

  • 医師の価格・パフォーマンスの比較(専門分野別)。病院の価格・パフォーマンスの比較(診療科別)。地域内、地域横断。
  • 薬剤と機器の価格・パフォーマンス比較(ベンダー別)。
  • 固有のリスクをもった患者の識別
  • おおよそ効果的な診断治療方法の識別

いくつかよく知られ、広く利用されている分析分類やリスク調整ツールが市場には存在する。たとえば:ETGs, CRGs and DxCGs.これらのアルゴリズムは医療提供者、患者、治療の間の公平な比較と、リスクをもった患者の識別を容易にすることを可能にし、その上、臨床と管理のベストプラクティスを連続的に更新する。

これらのツールは、市場におけるプロフェッショナル、組織、製品、サービスの評価を、すべてのタイプの意思決定者に可能にする。そうであるから、すべての医療関係者が分析過程が信頼でき、信憑性があり、吟味されていると感じることが、決定的に重要なのである。それゆえに、透明性を達成するために利用される方法は、同様に透明性を持っているべきなのだ。
(クッリク)

以下、続く

<関連情報>

Health2.0ブロードビジョンと市場機能

Health2.0ブロードビジョン:ノート2

Health2.0ブロードビジョン:ノート3


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