ブルガリアの「健康ICカード」テストプロジェクト

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ブルガリアで今年2月から「健康ICカード」を全国導入するためのテストプロジェクトが始まっている。このプロジェクトはブルガリア保健省、国民健康保険(NHIF)によって実施されており、ICW(InterComponentWare AG)そして米国のCISCO社他が技術スタッフとして参画している。

来月九月からはじまるフィールドテストでは、首都ソフィア近郊の町村に在住の市民1000人に、実際に健康ICカードを発行し使ってもらう予定。これらのテスト参加市民は慢性疾患患者から医師によって選抜されたとのこと。またフィールドテストでは、ソフィア近郊のすべての医療機関と薬局が参加することになる。

この「健康ICカード」に保存してあるカード保有者のID情報で、健康保険の状態や主治医の情報を自動的にチェックできたり、電子処方箋のデータを記録することも可能。

このテストプロジェクトのメインベンダであるICWは、すでにドイツ、オーストリアをはじめEU各国での健康ICカードプロジェクトの実績を持っている。ICWのソフトウエア・ディベロップメント・キット(SDK)は、健康ICカードと医療機関や薬局のシステムを簡単にシームレスに統合することができるとのこと。

(下図はICWがドイツで運営するPHRサイト”LifeSensor” )
lifesensor

日本でも春先から「健康ITカード」という構想が政府から発表されている。だがその詳細はいまだ詳らかではない。ICカードを保険証やIDとして利用し、全国的な医療ITシステムを構築しようという構想は実はEUが先行している。EU域内でのクロスボーダーな個人医療情報利用の必要もあり、EUぐるみでのシステム開発が進められており、むしろ米国よりも医療ITシステム導入は進んでいるかもしれない。今回のブルガリアのテストプロジェクトも、これらEU全体の医療ITプロジェクトの一部分として理解すべきだろう。


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