この秋のMedicine2.0コンファレンス

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来る9月4日、5日、カナダのトロントで開催が予定されているMedicine2.0コンファレンスの概要が徐々に固まってきている。公式サイトのトップページに記載されている出席対象者を見ると以下のようになっている。

  • 学者(医療専門家、社会科学、コンピュータサイエンス、エンジニア)
  • ソフトウェアとWeb2.0アプリケーションの開発者
  • コンサルタント、ベンダ、ベンチャーキャピタル、経営者、情報担当
  • エンド・ユーザー(医療専門家、消費者、ペイヤー)

このようにこのコンファレンスは、Health2.0コンファレンスと比較すると、どちらかと言えば医学を中心とした学術的色彩の強いコンファレンスを目指しているようだ。これはまた、医療消費者の改革ドライビングパワーを強く意識したHealth2.0ムーブメントへの、医学アカデミズム側からの対応と言えるかも知れない。そしてさらに、Web2.0が医療に与えるインパクトを医学アカデミズム側がどのように受け止めるべきか、という問題意識がとりわけ強く持たれていることもうかがえる。

Health2.0であれこのMedicine2.0であれ、「Web2.0と医療の間には、強い親和性があるはずだ」という直感的なコンセンサスがベースとなったムーブメントであると思う。別の言い方をすれば、このような「直観」がはたらかなければ何も起こらないということだ。そしてこの「直観」を持つか持たないかが、20世紀医療にとどまるか、次世代医療を構想し行動するか、という二つの態度を鋭く切断して分岐するものだと当方は考えている。以前のエントリでも述べたように、「2.0」とは「切断」の表徴であるからだ。

Health2.0とMedicine2.0。ではこの二つの「2.0」は、これまでの医療観にどのような切断線を引こうとしているのか。今、このことに最も興味がある。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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