病院検索サービスの再検討: 医療機関バーティカル検索エンジンのすすめ

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昨日、実はある大学病院の脳神経外科で検査を受けていた。MRIに30分も閉じ込められ、「ドカン、ドカン、ギーッ!」という物凄い機械音に驚かされた。これまでMRIの体験記録などたくさん目にしてきたはずだが、いや、こうまですごい騒音とは・・・・・。閉所恐怖症の人にはとても耐えられないだろう。何事も実際に体験してみないことにはわからないものだ。

幸い、検査の結果は「異常なし」でホッとしたのだが、今回、医療機関サイトをあちこち眺め回したり調べたりして、いくつか気づくところがあった。そのうちの最たるものは、「必要な医療機関情報へダイレクトに辿り着けない」ということである。GoogleやYahooの検索エンジンではゴミやノイズが多すぎる。そこで医療機関検索サービスを利用することになるが、それらサービスの大半は、まず「部位、診療科目、地域」など大分類から選択を始めさせ、何段階か選択を進めた結果、やっと目指す情報にたどり着くような仕組みになっている。

これはユーザー側で予め検索対象情報が明確になっている場合、非常に迂遠な方法であり、ユーザーに時間と手間を強いるものである。つまり探索経路が硬直的であり、しかも最短ではないのだ。特に一刻を争うような場合には、使い物にならないだろう。

では、どうすれば改善出来るのか。これは非常にはっきりしている。医療機関サイトだけを検索対象とするバーティカル検索エンジンを作れば良い。現状の病院検索サービスのように、医療機関プロフィールなどサマリーデータを独自にDB化するのではなく、すでに各医療機関サイトに公開された情報を網羅的に全文検索するほうがより効率的であり、よりダイレクトにユーザーが欲しい情報へたどり着けるはずだ。さらにその全文検索結果を、地域など最小限の必要項目でフィルタリングすればよい。またGoogleMapsなどとマッシュアップすれば、一層見やすく、使いやすくなるだろう。

このように、ソリューションは非常に明確なのだが、誰もやらないのならTOBYOでやるしかない。TOBYOプロジェクトでは、1万数千件の闘病サイトだけ検索対象とするバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」を既にテスト運用しているが、これを医療機関特化型バーティカル検索に転用すれば済むことだ。

まだまだとはいえ、それでも徐々に医療機関サイトは多様な情報公開をはじめている。問題はそれらを横断的に可視化し縦横無尽に利用するツールが存在しないことだ。従来の病院検索サービスは「病院の目録」あるいは「病院の看板」を作るような発想だったが、もっとユーザーが自由に利用できる実践的ツールが求められているのではないか。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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