検索ワードの意味を解釈するセマンティック検索エンジンとして注目されているhakiaだが、昨日、医療分野のバーティカル検索に対応したと発表した。これにより、特に信頼性が求められる医療情報検索において、ユーザーは信頼できる情報ソースだけから求める情報を探し出すことができる。
hakiaはこの医療バーティカル検索のために情報ソースを限定しているが、Googleなど他の検索エンジンとの違いを、以下のように説明している
- 信頼性:
hakiaは信頼性を決定するために、米国医学図書館協会「品質の良い医療ウェブサイト」のリストを使用している。これらは検索結果ページのトップに、はっきりとマークされ表示される。 - 新鮮さ:
hakiaの検索結果トップには、最新のニュースがリストされる - 妥当性:
hakiaはセマンティック技術によって、良質の検索結果を提供することを約束する
上記のうち「新鮮さ」と「妥当性」は、hakiaがこれまで目指してきたものであるが、今回、医療情報検索に限って「信頼性」を加えたことになる。上図は、次のような質問をhakiaにしてみた検索結果である。
What are the benefits of aspirin?
ご覧のように「News」が検索結果のトップに示されており、次に米国医学図書館協会お墨付きサイトが赤字でマークされリストされている。またページのトップラインには”..See the hakia gallery for Aspirin”との記述が見えるが、これをクリックすると次のページが現れる。
これは質問の意味をhakiaが解釈し、「aspirin」が質問者が最も知りたい事柄であると認識したうえで、その検索結果をカテゴリー別に整理して表示しているわけだ。ページの右にはカテゴリーのリストが示され、ユーザーは自分に必要な情報へこのリストからジャンプできる。しかも、hakiaは昨秋からソーシャル機能を付加しており、同じ質問をした他の人にネット上で会うこともできる。
Googleなどが現在使っている検索アルゴリズムは、サイトの人気度がベースになっており、これは確かに医療情報検索との親和性は低い。hakiaはここを捉えて、特に医療情報検索においてGoogleとの差別化を打ち出した。これは競争戦略として良策だろう。
しかし、hakiaの意味解析技術は非常に興味深い。そして医療情報検索には、まだまだ技術進化の可能性があるはずだ。
三宅 啓 INITIATIVE INC.