薬品リスク警告サービス:iGuard

iGuard

iGuardは、ユーザーが服用している薬物に関する最新の安全情報を届けてくれるサービス。服用している薬について、FDA(連邦食品医薬品局)や薬品メーカーそして医学会などから注意すべき情報が出されたときに、ユーザーに警告情報を送付する。

同時にこのサイトは、ユーザーが飲んでいる薬による副作用とその重症度の可能性評価を含むリスク評価測定「iGuard Risk Rating」をユーザーに提供している。

「iGuardは評価測定を使って、医学専門用語をわかりやすく機能的な情報に翻訳する。iGuardリスク・レイティングは、あなたの薬の安全性をもっと理解することを助ける新しい基礎を作る。そして新しい情報が発生したら、より効率的にそれに対応する」。

「薬品のラベルや医学専門誌を読もうとしている人は、それらを理解することがいかに困難であるかを知っている。iGuardはそのことを簡単にし、iGuardリスク・レイティングであなたに深刻な副作用を引き起こすリスクを知らせ、将来、薬品の安全情報が発生したらすぐさま反応できるようにする」。

このiGuardは治験会社の投資によって今年七月にローンチされた。その目的を要約すれば、薬品の安全性に関する患者、医師、研究者、薬品メーカーなどのコミュニケーションを、円滑に促進しようということのようだ。だが、その目的はさらに次のような見通しを含んでいる。

「われわれは、薬品の安全性の改善に、患者が重要な役割を果たすことができると信じている。今日、公的、私的機関は薬品の安全性研究やリスクマネジメントに何百万ドルも費やしているが、それらはしばしばがっかりする結果に終わっている。iGuardでわれわれは、コミュニケーションの力をより良く利用すればするほど、薬品についてより良い調査研究ができると強く感じている」。

つまり、「薬品の安全性改善の過程に生活者・患者を参加させることによって、より一層効率的な薬品安全システムを作れるのではないか」という仮説が立てられているわけだ。と考えると、このiGuardは、単に薬品リスク警告サービスであるだけでなく、「薬品安全システム2.0」とも呼びうるようなベクトルを内包しているのかもしれない。なぜならユーザー側の「自分の飲んでいる薬について、特にそのリスクを知りたい」ニーズに応えながら、同時に研究機関や薬品業界に役立つ情報をフィードバックするという、新しい情報サービス・モデルの可能性をも秘めているからだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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