医療の「クリック&モルタル」モデル

RevolutionHealth、今週発進」のエントリーで書く予定であったが、別エントリーとしてポストしたい。実はRevolutionHealthという医療事業体は、Webサービスだけを提供しているのではない。

他の医療事業としてはRediClinicチェーンがある。これはウォルマート、ウォルグリーンなど全国のショッピングセンターで営業するリテール・ヘルスクリニック、あるいはウォークイン・クリニックと呼ばれる、RevolutionHealthグループ傘下の診療所チェーンである。

1998年創業のRediClinicは、ショッピングセンター内の気軽に通える医療機関として成長してきた。「アポイントメントなし、待ち時間なし」が売りであり、急性かつ重篤な病気は扱わないが、軽度症状の診察、予防処置、検査、薬物処方など日常的な医療ニーズに対応する簡易医療機関といえよう。医療費を抑えるため、看護師だけが常駐している。また看護師のための業務支援システムを構築している。日本にはない医療業態であるが、米国では医療費削減に寄与するものとして評価されている。

注目すべきは、RevolutionHealthグループが、Web上のRevolutionHealth.comと同時に、リアルではRediClinicチェーンを展開している点である。これはかつてインターネット黎明期に語られた「クリック&モルタル」モデルの医療版といえるかもしれない。従来のWebMDのようなWeb情報提供サービスと一線を画すものであり、先行するWebMDとの差別化ポイントになるかもしれない。

「クリック&モルタル」という言葉は既に死語になっているが、医療の世界で、この言葉に新しい生命を吹き込むことは出来るのだろうか。RevolutionHealth.comとRediClinicがどのようなコラボレーションを生み出すのか。またどのようなユーザーベネフィットを提供するのか。興味深いところである。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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