AskingからListeningへ

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いよいよdimensions開発の追い込み段階に入った。予定通り、7月からのサービスインへ向け疾走中。ここへ来て、これまでてんでバラバラに存在していた事々が、まるでジグソーパズルのピースが嵌るように、やっと徐々に明瞭な姿形を取りはじめてきたように感じられる。

これまで、dimensions開発の過程でいろいろ思い悩むことも少なくなかった。だが結局のところ、それらはdimensionsの応用領域あるいは守備範囲がきわめて広いところに起因する。何を機能の柱とし、一体どんな理解をしてもらえばよいか、絞りきるのが難しいと思えた頃もあった。

さらに、コンセプト開発の初期段階では見えていなかった課題が次々に立ち上がり、その都度あれこれ思考を重ねているうちに、たとえば「リサーチ・イノベーション」など従来のレガシー調査を乗り越える方向が見えてきたり、また「リスニング・プラットフォーム、ソーシャル・メディア・リサーチ」など今日的なイシューが私達の視界に飛び込んできたりもした。

ソーシャル・メディアの台頭により、「AskingからListeningへ」とマーケティング・リサーチは大きく変わりつつあると言われる。「次世代マーケティング・リサーチ」(萩原雅之、ソフトバンククリエイティブ)の著者はソーシャルメディアの時代において、「新しい状況に対応するために、リサーチャーには以下のような柔軟で新しい発想が必要だ」と述べ、以下の6点を指摘している。

・蓄積されたデータから仮説を立て検証する
・ひとりの消費者をリアルに思い浮かべる
・同じ対象を継続的に追いかけて変化を知る
・ストリーミングや動画のようにデータを扱う
・事実で語らせる実験的な手法を取り入れる
・つながりをデータの解釈に活用する

以上を見ると、なるほどdimensions開発の中で無意識に取り組んできたポイントが、きわめてシンプルに要約されている。今にして思えば、世界的な潮流となりつつあるソーシャル・メディア・リサーチの医療分野における一つのチャレンジとして、私達のdimensions開発があったのだ。

患者2万8千人の体験ドキュメントから
・医薬品5000点について、患者が体験した事実を集計・リスト化する
・全国
約1000の主要医療機関の患者体験を抽出する
・疾患ごとの主な検査、治療法、機器に関する体験記述を抽出する
・100疾患の患者サマリーシートを出力する 他

以上がdimensionsが提供するサービスの現時点での概要であるが、ツールとしての基本機能に加え、さまざまなデータの集計・出力もしていきたい。つまりベーシック・サービス(ツール)とオプション・サービス(データ集計&出力)の二本だての商品構成となる。これまではベーシック・サービスだけを考えてきたが、オプション・サービスを充実させ、さまざまな外部機関とのオープンなコラボレーションをめざしたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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