年末進行

Phil_Spector

今年も残すところあとわずかだが、当社はまだこれからやらなければならないことが山積。その中でも、懸案の検索エンジン開発をとにかく年内に片付けてしまおうと、スタッフは最後の追い込みを続けている。これをやってしまわないと正月は来ない。

さてあわただしい年末の最中に、「医薬品ネット販売規制強化」を厚労省が決定したとのニュースが入った。来年六月の改正薬事法で、対面販売を医薬品販売の原則として定め、低リスク医薬品以外のネット販売を禁止しようというもの。また対面販売要員として、薬剤師の他に新たな販売員資格制度を制定することにもなるようだ。厚労省によれば「顧客の利便性よりも安全性を重視する」とのことであるが、対面販売によって「安全性」がどこまで担保されるか疑問視する向きもある。だが厚労省は、誰も反対しにくい「安全性」をたてに、消費者団体から薬害被害者会まで動員し、一気苛性にOTC医薬品の自由な販売を規制しようという腹積もりらしい。さらに新たに「販売員資格制度」を導入すれば、その審査実施体制等をめぐり、さまざまな厚労省の監督指導分野が発生する。当然、これらに付随して新たな天下り先が「確保」される公算も強い。

このような厚労省のあからさまな既得権益の拡大強化に対し、規制改革会議やネット医薬品販売企業などが反対を表明しているが、どうやら押し切られたようだ。プライバシー保護やセキュリティなどと同じく、「安全性」もまた自由な議論を封じる殺し文句として、役人からは重宝がられているようだ。「誰もが反対しにくい言葉を、大声で語る」というやり方がいかに社会にとって危険であるか、改めて肝に銘じなければならないと思った。

さて今日はクリスマス。毎年このシーズン、我が家で聴くことにしているのは次の三枚のCD。「最強のクリスマス・アルバム」である。

[1].”A Christmas Gift for You”   Phil Spector
[2].”The Beach Boys’ Christmas Album”  The Beach Boys
[3].”NIAGARA CALENDAR ’78″    大滝詠一

[1]は、今さら言うまでもないウォールオブサウンドの歴史的名盤。単なるクリスマスアルバムを越えて、フィル・スペクターの最高傑作とすべき作品。[2]はあの”Pet Sounds”には及ぶべくもないが、リラックスして楽しめる好盤。ブライアン・ウィルソンの”Blue Christmas”など泣かせる。次に[3]だが、これは純然たるクリスマスアルバムではないが、まず「クリスマス音頭」から聞くのが良い。荘重なオルガンによる「清しこの夜」が終わった後、絶妙のタイミングで入ってくる「除夜の鐘」、そしてアカペラの「お正月」。この一連のシークエンスには、何回聞いても感心させられるのである。ロック、邦楽、キリスト教、仏教など、文化と宗派を超越した高みにある作品と言えよう。

この三枚を以上の順序で聴けば、永遠のロック・スピリッツを手に入れられるだろう。これで来年もだいじょうだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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