“ALSUntangled.com”は難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の国際研究コミュニティ。米ノースカロライナ州のデューク大学病院ALSクリニックによって主催されており、現在、世界6カ国のALS研究者とALS患者が参加し、着々と研究成果を上げている。この研究コミュニティの知識情報共有を支えているのはツイッターとSNSだが、SNSとしてあの“NING”を採用している。
もう五年ほど前になるだろうか、当時のWeb2.0ムーブメントの中でもひときわ注目されていたのがこの”NING”であった。これは高機能なSNSホスティング・サービスで、自分の思い通りにカスタマイズしたSNSを簡単に立ち上げることができる。久しぶりにNINGサイトをのぞいてみたが、トップページは完全に日本語化されていた。だがいろいろ調べてみると、どうやら広告のビジネスモデルがうまく行かなかったようで、有料サービスに移行していた。それでも利用料金は月額$2.95-$49.95と安い。ちなみに月額49.95ドル(約4000円)で提供される機能は次のようなもの。
ブログ、写真、フォーラム、ビデオアップロード、音楽、チャット、イベント、グループ、FacebookとTwitter連動機能、その他10アプリ
これだけあればどんなコミュニティでも十分だろう。
これを使えば上記の”ALSUntangled.com”のような研究コミュニティや「肺がん患者SNS」のような疾患特化型SNS、そして患者会サイトやNPOサイトまで、誰でも、安く、簡単に、手早く作れる。日本ではOpenPNEやXOOPSなどオープンソースのSNSアプリケーションのほうが普及しているが、もっと簡単に手軽に医療関連コミュニティを作る方法としてNINGの活用もあるのではないか。ちなみにNINGベースで作られた医療コミュニティwegohealthが参考になるだろう。
三宅 啓 INITIATIVE INC.