衰退する米国医療テクノロジーと日本の高齢化産業界

昨年から、米国医療IT業界とくにITゼネコンの停滞についてさまざまな指摘がされはじめている。その原因として、たとえば医療IT分野の規制やシステム認証制度などが従来より強化されてきたからだと言われているが、はたしてそうだろうか。一方、医療IT分野だけでなく、製薬、医療機器の分野においても停滞は見られ、総じて米国の医療テクノロジー全般が衰退しはじめているのではないかとの議論が出てきた。

Harvard Business Reviewの4月12日付ブログで、“Has the U.S. Health Technology Sector Run Out of Gas?”と題するエントリがポストされた。製薬、医療機器、医療IT分野の危機的状況がレビューされているが、その原因を次の三点で解説している

  1. リスク回避のマネジメント・スタイル
  2. 規模は実際にはハンディキャップになっている
  3. グローバル人材競争に負けている

これを見ていると、何か日本経済のことを指摘されているような気がした。はたして、日本の大企業で「ゲーム・チェンジング」なリスクを取ろうというところはあるだろうか。規模がでかくなるほど官僚体質は強化され生産性は低下する。また、かつては世界の先頭集団に属しながらも、いつのまにか下位集団に転落しはじめると、世界から優秀な人材を集めることはできなくなる。

それでも米国の場合、まだベンチャーが続々と誕生しているから未来はある。日本の場合、逆にベンチャーの出現はますます減少しているようだ。日本の産業界は、創立100年以上の企業が世界一多いという話を最近聞いた。つまり人口構造のみならず企業社会全体が高齢化しているというのだ。本来なら自然に産業界の新陳代謝が起きるところだが、日本ではこの新陳代謝が効かない。若者が旧い会社に集まり「人柱」となって必死に老人企業を支え、結果として老人企業が生き残ってしまうからだそうである。

日本の若者よ。老人企業のために奉公するのはそろそろやめにして、自分の面白いと思うことを徹底的に追求してはどうか。自分自身のために。そうすることで、きっと日本は元気になるはずだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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